スパ・フランコルシャンのターン1でポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)に襲いかかるセルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース1周目
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角田裕毅8戦ぶり入賞!フェルスタッペン逆転、レッドブルが開幕12連勝で記録更新 / F1ベルギーGP《決勝》結果とダイジェスト

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2023年FIA-F1世界選手権第13戦ベルギーGPが現地7月30日にスパ・フランコルシャンで行われ、予選6番グリッドのマックス・フェルスタッペンが後続を22.305秒引き離して8連勝を飾った。角田裕毅(アルファタウリ)は9位フィニッシュで8戦ぶりの入賞を果たした。

レッドブルは昨年末のアブダビから続く史上最多連勝記録を13に伸ばすと共に、1988年のマクラーレン・ホンダが持つ開幕連勝記録を塗り替えた。また、2位にチームメイトのセルジオ・ペレスが続いた事で、今季5回目、3ヶ月ぶりの1-2フィニッシュを以てサマーブレイク前のシーズン前半を無敗で締め括った。

優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペンと2位のセルジオ・ペレス、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャンCourtesy Of Red Bull Content Pool

優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペンと2位のセルジオ・ペレス、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン

今季5基目のギアボックス交換に伴い5グリッド降格の6番手からスタートしたポイントリーダーは、オープニングラップを終えて4番手にまで浮上。1周目のケメルストレートでポールシッターからリードを奪ったペレスを17周目に抜き去りトップに立つと、1周足らずで一気に1.7秒差をつけた。

レースの折返しを前にコースの一部が雨に見舞われるもウェットコンディションに変わるほどではなく、圧倒的なギャップを築いてトップチェッカーを受けた。

表彰台の上で優勝トロフィーを掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台の上で優勝トロフィーを掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)

ポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)は3位表彰台に上がり、残り2周でミディアムに履き替えファイナルラップでフェルスタッペンからファステストラップをもぎ取ったハミルトンが4位に続いた。

フェルナンド・アロンソが5位、1ストップ戦略を採用した3台の中の1台であるランス・ストロールが9位と、予選でのクラッシュ、スプリントでのリタイヤを経てアストンマーチンが混乱の週末を好成績で締め括った。

同じく1ストッパーのジョージ・ラッセル(メルセデス)が6位。エステバン・オコン(アルピーヌ)はレース終盤の猛チャージによって8位フィニッシュを果たした。

ランド・ノリスが7位でポイントを獲得した一方、マクラーレンの僚友で5番グリッドに着いたオスカー・ピアストリは、1周目のターン1でカルロス・サインツ(フェラーリ)と接触。早々にリタイヤした。サインツはサイドポッドを損傷したままレースを続行するも最下位に転落。27周目にガレージにクルマを入れリタイヤした。

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)をリードする角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Red Bull Content Pool

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)をリードする角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月30日(日)F1ベルギーGP決勝レース(スパ・フランコルシャン)

アルファタウリは角田裕毅が序盤に6番手を走行する好パフォーマンスを発揮。1ストップ戦略勢に先行を許して後に順位を落としたものの、それでも10位でフィニッシュして貴重な1ポイントを持ち帰った。

チームメイトのダニエル・リカルドも19番手スタートから大きく前進。最初のピットストップでアンダーカットを決めて中盤に躍り出たが、それを維持する事はできず、角田裕毅から23秒遅れの16位でレースを終えた。

レース概要

決勝は日本時間30日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周7004mのコースを44周する事で争われた。現地スパは晴れ、チャンピオンシップポイントを争うレースのフォーメーションラップは気温18℃、路面31℃のドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは2番目に柔らかいレンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。2ストッパーが主流となったがミディアムからソフトに繋ぐ1ストップ戦略を採った2台は共に入賞を果たした。

2023年7月30日のF1ベルギーGPでの各ドライバーのタイヤ戦略Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年7月30日のF1ベルギーGPでの各ドライバーのタイヤ戦略

オープニングラップでは、前方外側にいたサインツがターン1を前にロックアップ。イン側にいたピアストリが行き場を失う格好となり接触した。ピアストリはその後、グラベルに飛び出てピットまで戻れずリタイヤした。

2番手ペレスはケメルストレートでルクレールを交わしてトップに浮上。ミディアムスタートの角田裕毅は1周目を終えてポイント圏内8番手に浮上すると、翌周にノリスを抜き去り7番手に。5周目には手負いのサインツをオーバーテイクして6番手にまでポジションを上げた。

5周目には早くもペースダウンに苦しむノリス、リカルド、ケビン・マグヌッセン(ハース)がタイヤ交換に動いた。

角田裕毅はアレックス・アルボン(ウィリアムズ)のアンダーカットを防ぐべく9周目にピットストップを行い再びミディアムタイヤを装着。復帰直後のケメルストレートでアルボンにオーバーテイクを許して1つポジションを失ったが、翌周にやり返して奪還した。

ペレスと後続のルクレールは13周目に交換義務を消化。その翌周にピットストップを行ったフェルスタッペンは次のラップのケメルストレートでチームメイトをオーバーテイクしてトップに立った。

44周のレースの18周目、コースの一部に雨が降り出したが、レインタイヤに履き替えるほどの雨量とはならなかった。

再びアルボンが先行してピットストップを行ったため、角田裕毅は24周目に2回目のピットストップを行いソフトタイヤを装着。アルボンの前でコースに戻りポジションを守った。

サインツがクルマをガレージに入れた直後、ミディアムタイヤに苦戦し始めていたハミルトンがソフトタイヤに履き替えるべくピットイン。これに対して上位のルクレール、ペレス、フェルスタッペンが1周毎にカウンターを打ち同じくソフトに交換した。

終盤に向けてソフト勢が好ペースを刻む中、アルボンとローガン・サージェントを含むウィリアムズのみ3回目のピットストップを行い、ソフトタイヤでの最終スティントに臨んだ。

2023年F1第13戦ベルギーGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 44 1:22:30.450 25
2 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 44 +22.305s 18
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 44 +32.259s 15
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 44 +49.671s 13
5 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 44 +56.184s 10
6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 44 +63.101s 8
7 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 44 +73.719s 6
8 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 44 +74.719s 4
9 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 44 +79.340s 2
10 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 44 +80.221s 1
11 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 44 +83.084s 0
12 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 44 +85.191s 0
13 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 44 +95.441s 0
14 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 44 +96.184s 0
15 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 44 +101.754s 0
16 3 ダニエル・リカルド アルファタウリ・ホンダRBPT 44 +103.071s 0
17 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 44 +104.476s 0
18 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 44 +110.450s 0
NC 55 カルロス・サインツ フェラーリ 23 DNF 0
NC 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 0 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温18℃
路面温度31℃
周回数44

セッション概要

グランプリ名 F1ベルギーGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 スパ・フランコルシャン
設立 1921年
全長 7004m
コーナー数 19
周回方向 時計回り

F1ベルギーGP特集