とてつもない差―嘆くフェルスタッペン「不可能だ」鈴鹿の再現を否定するレッドブル

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2025年F1第4戦バーレーンGPの初日を終えたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、マクラーレンとの間に「とてつもない差」があると述べ、RB21は「あまりに遅すぎた」と振り返った。

FP1ではランド・ノリス、続くFP2ではオスカー・ピアストリがそれぞれトップタイムを記録するなど、バーレーンにおけるMCL39の速さは際立っていた。実際、FP2で3番手につけたジョージ・ラッセル(メルセデス)でさえピアストリに0.5秒差をつけられ、フェルスタッペンに至っては0.8秒遅れの7番手にとどまった。

フェルスタッペンはマクラーレンとのギャップを「とてつもない差」と表現し、「グリップにすごく苦しんだし、全体的なフィーリングも悪かった。バランス自体はそこまで悪くなかったけど、何かがズレてる感じで、ロングランにしても、まだやるべきことがたくさんある」と振り返った。

「ほぼすべてのラップで僕らは兎に角、あまりに遅すぎた。正直、ロングランは全然楽しくなかった。最後はもう、ほとんどドリフトの練習をしているみたいだった」

「再現は不可能」ホーナーとマルコが厳しい見通し

レッドブルはこれまでに何度も、初日の遅れを2日目以降に挽回してきたが、前戦日本GPとは異なり、今回は厳しい戦いを強いられるとチームは見ている。

メルセデスはFP1を終えた段階で、マクラーレンのアドバンテージを0.3秒と見積もっていたが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「残念ながら、それ以上の差がある」と懸念を示した。

日本GPではフェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを飾る完璧な週末を過ごしたが、チーム代表クリスチャン・ホーナーによれば、同じことをバーレーンで再現するのは「不可能」だという。

「仮にマックスが予選でまた魔法のような一発を決められたとしても、鈴鹿のように決勝で他を抑えるのは無理だ」とホーナーは語る。

「ここは比較的オーバーテイクがしやすいサーキットで、カレンダーの中でもその点では簡単な部類に入る」

タイヤマネジメントが鍵、バーレーン特有の過酷条件

レッドブルの苦戦には、サーキットの特性も大きく関係している。気温が低く、路面の半分が再舗装されたスムーズな鈴鹿とは異なり、バーレーン・インターナショナル・サーキットは非常に荒れた路面と高温環境が特徴だ。

このため、摩耗よりも熱による劣化(サーマル・デグラデーション)が顕著であり、タイヤマネジメントに課題を抱えるレッドブルは、2日目以降も厳しい戦いを強いられる可能性がある。

マルコは、「気温が上がるとすぐにタイヤがオーバーヒートしてスライドし始める。そのスライドがさらに状況を悪化させる」と述べ、タイヤのマネジメントこそが現状の最大の課題であるとした。

「鈴鹿のようにセットアップを変えて、明日には何とかその“黄金のバランス”を見つけたい」


2025年F1バーレーンGPの初日FP2をトップで締め括ったのはオスカー・ピアストリ。ランド・ノリスが0.154秒差の2番手に続き、マクラーレンがタイムシートの最上位を独占する結果となった。

FP3は日本時間4月12日(土)21時30分から、公式予選は同25時から1時間に渡ってバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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