マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ
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マクラーレンホンダのアロンソ「300m後ろの奴に直線で抜かれた!こんなパワー不足でレースするのは人生初だ!」と激怒

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4月16日に開催されたF1第3戦バーレーンGP。週末を通してトラブルに悩まされてきたホンダエンジンに対して、マクラーレン・ホンダのドライバーを務める2度のワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソがレース中に激昂。あまりのパワーの無さと遅さに怒りをぶちまけた。

バーレーンGP決勝レースでの27周目のこと。トロ・ロッソのダニール・クビアトとルノーのジョリオン・パーマーにホームストレートで立て続けにオーバーテイクされたアロンソが無線で叫んだ。

彼らは僕の300mも後ろにいたにも関わらず、ストレートで僕を追い抜いていった。こんなパワー不足でレースをするのは人生初めてだ! “300 metres behind me and they overtake me on the straight. I’ve never raced with less power in my life”

バーレーンGPのホームストレートエンドでオーバーテイクされたフェルナンド・アロンソ
©F1

誇張が目立つアロンソの発言

会場となったバーレーン・インターナショナル・サーキットのホームストレートはおよそ1130m程。最終コーナーである15コーナーで3車身以内につけていないとオーバーテイクは不可能であったことから、アロンソがかなり話を誇張しているのは事実だ。1130mの距離の直線を300mものビハインドがありつつオーバーテイクするには一体どれだけの馬力が必要なことかを考えても、アロンソの無線での叫びが非現実的な話であるのは明白だ。

バーレーン・インターナショナル・サーキットのコースレイアウト図
バーレーンのコースレイアウト図

アドレナリンが大量放出されているレース中では言い間違いもやむを得ないが、アロンソはレース後の冷静な状態でも同様の発言を繰り返している。というよりも、さらに話を膨らませている。無線では「300m後ろ」と叫んでいたアロンソだが、レース後のコメントではその距離をさらに100m増やして「300mか400m後ろ」と語っている。

ただし、ホンダF1の長谷川祐介氏が自ら認めているように今のホンダのエンジンにパワーが無いのは事実であるし、ここ数年に渡って積み重なった不満が爆発していると考えればその気持ちを理解するのは容易い。

とは言え、このような発言が一体どのようなメリットを彼自身にもたらすのか、またチームにもたらすのかを、少しばかり考えてみても良いのではないだろうか?アロンソはしばしば政治的でありすぎるとの批判がなされてきたが、過度なそれは自身の名声を地に落としかねない。アロンソは度々この手の発言を口にしており、若干テンプレート化しつつある。

アロンソが彼自身の実力を口頭で誇示する必要など一切ない。レース結果がどうあれ、フェルナンド・アロンソが現役最強の称号を欲しいままにしているのは事実であり、また、常人では決して成し得ることのないドライビングを披露しているのもまた事実であるのだから。


バーレーンGPの決勝レースの詳細については、2017年バーレーンGP《決勝》結果とダイジェストを参照頂きたい。

F1バーレーンGP特集