パドックを並んで歩くレッドブルのヘルムート・マルコとクリスチャン・ホーナー代表、2023年3月18日F1サウジアラビアGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブル、圧勝にも関わらず”不穏”な兆候を指摘するマルコ

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後続に20秒もの差をつけて1-2フィニッシュを飾ったにも関わらず、レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、今後に向けて不穏な兆候があったと指摘した。

セルジオ・ペレスはバクー市街地コースでの5回目の表彰台を優勝で飾り、マックス・フェルスタッペンがこれに続いた事で、レッドブルは4月30日のF1アゼルバイジャンGPで通算25回目の1-2フィニッシュを飾った。

表彰台の上でシャンパンを飲むレッドブルのセルジオ・ペレスとマックス・フェルスタッペン、2023年4月30日F1アゼルバイジャンGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台の上でシャンパンを飲むレッドブルのセルジオ・ペレスとマックス・フェルスタッペン、2023年4月30日F1アゼルバイジャンGP決勝レース

2位フェルスタッペンは3位フィニッシュしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)に19.08秒の差をつけた。ルクレールの後には0.8秒差でフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が続いた。

19.08秒というギャップはニック・デ・フリース(アルファタウリ)の車両ストップに伴うセーフティーカー再開後に築かれた。1周あたりに換算するとコンマ5秒という驚異的な数値となる。

にも関わらず、バクーの週末に80歳の誕生日を迎えたレッドブル・レーシングの取締役は、レースペースという点でフェラーリとアストンマーチンが自分たちに迫りつつあるという「警戒」すべき兆候があったと明かした。

RacingNews365によるとマルコは、オーストリアの放送局「ORF」とのインタビューの中で「我々が警戒すべきは、ルクレールとアロンソが最後の6~8周で我々と同じラップタイムを記録した点だ。レース終盤に何事も起こらぬよう懸命に努力しなければならなかった」と語った。

レッドブルの2台はペースを意図的に抑えて走っていたわけではない。マルコは「セルジオはその事について尋ねてきたが、我々は彼らに全開でドライブさせた」と説明した。

一体、フェラーリとアストンはどの位のペースだったのだろうか? 以下、ラスト10周の4台のラップタイムを集計した。

F1アゼルバイジャンGP ラスト10周のタイム
ドライバー 平均 最速 最遅
ペレス 1:44.9 1:44.589 1:45.676
フェルスタッペン 1:44.8 1:44.232 1:45.275
ルクレール 1:45.0 1:44.561 1:45.409
アロンソ 1:44.7 1:44.241 1:44.998

確かにマルコの指摘通り、ルクレールとアロンソはレッドブルRB19と遜色ないペースを残している。

1ラップの最速はフェルスタッペンが記録したものの、平均で見るとアストンマーチンAMR23を駆る2度のF1王者のラップタイムが最も速い。

カルロス・サインツ(フェラーリ)の前を走るフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年4月30日F1アゼルバイジャンGP決勝レースCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

カルロス・サインツ(フェラーリ)の前を走るフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年4月30日F1アゼルバイジャンGP決勝レース


4月30日(日)にバクー市街地コースで行われた2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP決勝レースでは、3番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレス(レッドブル)がスプリントに続き逆転優勝を飾った。

マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台とする次戦マイアミGPは5月6日のフリー走行1で幕を開ける。

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