ルクレール、ペレスとの一件に”しこり”無し…順位入れ替えは「カルロスにダニエル攻略を任せた」
スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールはF1第9戦オーストリアGPでの2度に渡るセルジオ・ペレスとのバトルの際に「クルマを壊す気か?」などと無線で怒りを爆発させていたが、レースを終えて直接話し合った事を明かし、しこりは残っていないと語った。
ルクレールは8番手を巡るレース中盤の41周目、ターン4でアウト側からペレスに仕掛けるも、脱出の際にグラベルに押し出され、47周目に今度はイン側を突いたものの、続くターン6外側のグラベルに追い込まれた。
スチュワードはいずれのインシデントに関してもペレスに非があるとして、各々について5秒ペナルティと2点のペナルティポイントを科す裁定を下した。
レースを終えたルクレールは「ヘルメットを被ったままの時はかなり張り詰めていたけど…」とした上で、クルマを降りた後にペレスと直接話し合った事を明かした。
「彼は自分がやり過ぎたって事を分かっていると思う。そういう事だからこの件はこれでおしまい。僕は同じ事を長い間考え続けるタイプじゃないし先に進むよ」
「もっとペースがあると感じていただけに、それを引き出せなくて苛立っていたんだ。DRSトレインに捕まっていたからチャンスは殆どなかったけど、ここぞというタイミングで仕掛けたところ、2度も十分なスペースが得られなかった。でもしょうがない。これも人生だからね」
一方のペレスは、自身にコーナーでの優先権があったかどうかはさておき、対戦相手のレースを台無しにしてしまうのは「自身が望むところ」ではなく、ルクレールに対しては「申し訳なく思っている」として、そんな自分を「情けなく思う」とうなだれた。
ルクレールはインシデントの後の最終盤にチームメイトのカルロス・サインツとポジションを入れ替えた。サインツはルクレールが追い抜きあぐねていたダニエル・リカルド(マクラーレン)を攻略して5位でフィニッシュ。対するルクレールは8位でレースを終えた。
「レース終盤にハードタイヤのダニエルを抜くのに手こずっていたから、カルロスに攻めてもらったんだ。結果的にそれが功を奏した」
「5位と8位は望んでいた結果ではないけど、今日は堅実な仕事を果たせたと思う。限界まで努力を重ねて一歩一歩進みながら一貫性をキープしていければ、今後は力強いペースで戦えると思う」