
テストでの独自計画が仇に?ベアマン事故に加えて最下位連取―ハースが直面した悪夢の初日
2025年シーズンの開幕戦となるオーストラリアGPの初日、ハースは悪夢のような1日を過ごした。2回のフリー走行で最下位に沈んだだけでなく、オリバー・ベアマンのクラッシュにより、FP2は1台のみの出走を余儀なくされた。
ハースはバーレーンでのプレシーズンテストにおいて、ロングランに重点を置いたプログラムを実施し、燃料を軽くした状態でのパフォーマンス確認を行わなかった。そのため、新車の限界や挙動をドライバーが十分に把握できないまま、開幕戦を迎えた可能性がある。
こうした状況の中、ベアマンはFP1でターン9/10においてコントロールを失い、グラベルを越えてバリアに激突。セッションは赤旗中断となった。マシンの損傷は大きく、FP2には参加できず、初日を通してわずか12周の走行にとどまった。
一方、チームメイトのエステバン・オコンも苦戦。FP1、FP2ともに19番手と最下位に沈み、VF-25の競争力不足が浮き彫りとなった。
Courtesy Of Haas
エステバン・オコンがドライブするハースVF-25、2025年3月14日F1オーストラリアGPフリー走行(アルバート・パーク・サーキット)
チーム代表の小松礼雄は「今日はかなり厳しい一日となりました。我々が期待していたようなパフォーマンスを発揮することができませんでした」と認めた。
「FP1では不振の原因について、一つの手がかりを得ることができましたが、オリーがクラッシュしたため、完全に解明するには至りませんでした。そのため、今夜さらに分析を進め、明日に向けて最善を尽くしていきます」
プレシーズンテストで低燃料走行を行わなかったことがクラッシュの要因になった可能性も指摘されているが、ベアマン自身は「正直、クルマの感触は悪くなかった。ただ、少し欲張りすぎた」と述べ、F2時代と同じアプローチを採ったことがミスにつながったと説明した。
「F2では最初のフリー走行の後、すぐに予選がある。でもF1では、さらにもう2回フリー走行がある。だから、最初から限界まで攻める必要はなかった」と反省の弁を述べた。
バーレーンでの走行計画が影響した可能性については、「もしかしたらね……でも完全に僕のミスだ」と語った。
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クルマを覗き込むエステバン・オコン(ハース)、2025年3月14日F1オーストラリアGPフリー走行
一方のオコンは、苦しい一日を過ごしながらも、FP1からFP2にかけて「改善した」と強調しつつも、マシンバランスやクルマの感触には「満足していない」として、さらなる改善が必要だと認めた。
また、バーレーンテストでの走行計画が影響した可能性については、「チームの判断は正しかった。2024年にも同じことをしているしね」と強調した。
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ハースのチーム代表を務める小松礼雄、2025年3月13日F1オーストラリアGP(アルバート・パーク・サーキット)
2025年のF1オーストラリアGP初日FP2をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。オスカー・ピアストリとランド・ノリスのマクラーレン勢がこれに続く結果となった。
FP3は日本時間3月15日(土)10時30分から、公式予選は同14時から1時間に渡ってアルバート・パーク・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。