2021年FIA-F2選手権チャンピオンに輝いたオスカー・ピアストリ、2021年12月11日ヤス・マリーナ・サーキットにて
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「大袈裟」とウェバー、アルピーヌがピアストリのJr.キャリアに投じた資金は2割未満

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オトマー・サフナウアー代表が「莫大な資金を費やしてきた」と事更に強調する一方、マーク・ウェバーはアルピーヌF1チームがオスカー・ピアストリのジュニアキャリアに投じた資金は全体の20%未満に過ぎないと指摘した。

アルピーヌの指揮官は2020年に締結したアカデミー契約に伴いチームがこれまでに「何百万ユーロも投資してきた」と主張し、離脱の意思を伝えてきたピアストリを「忠誠心」や「人としての誠実さ」を欠いた等と非難してきた。

だが、ピアストリのマネージャーを務めるウェバーはF1オランダGPの週末にChannel 4に対し「その数字は大袈裟に膨れ上がっている」と述べ、下位カテゴリー時代にアルピーヌが支援した金額は全体の2割に満たないと説明した。

「ジュニアカテゴリー時代、オスカーはアルピーヌの投資だけでなく、チャンピオンシップの制覇によってかなりの額を集めた」とウェバー。

「つまり、資金の80%以上はアルピーヌ以外のスポンサーとオスカーの家族によって提供されたものだったんだ。幾らか背景を知っておく事も重要だ」

オスカーの父、クリス・ピアストリは車両診断やスキャン、キャリブレーション等のソフトおよびハードウェア・ツールを設計・製造する企業「HP Tuners」の創設者であり、家族は同社をスポンサーとして息子のキャリアを支えてきた。

実際、2019年のフォーミュラ・ルノーと2020年のFIA-F3選手権を経て、2021年のFIA-F2選手権でチャンピオンを獲得した際のピアストリのレーシングスーツに最も大きく掲載されていたのは「HP Tuners」のロゴで、アルピーヌのブランディングよりも遥かに目立っていた。

FIA契約承認委員会(CRB)の裁定を経て、育成プログラムの呪縛から開放される事が決まった21歳のオーストラリア人ドライバーは、晴れてマクラーレンでの2023年のF1デビューを掴み取った。

とは言え、アルピーヌとの開発兼リザーブドライバーとしての契約は今も有効で、ピアストリは気まずい状況の中、来年敵対する事になるチームの開発に協力し続けなければならない。

これは両者にとって懸案であり、早期契約解除について話し合いが行われることになっているが、ウェバーは仮に合意に至らなかったとしても同胞の後輩は「真のプロフェッショナル」としてやるべき事に取り組むだろうと強調した。

「彼はこのチームのために多くの時間を費やして一生懸命に働いてきた。パフォーマンス面でアルピーヌにできる限り貢献しようとしてきたし、シムを通して可能な限り手助けしようとしてきた」

「全てはアルピーヌ次第だ。彼らは2022年の終わりまで彼と契約している」

ウェバーが主張するように、サウナウアーの発言からイメージされる程の金額ではないにしろ、7回に渡るシングルシーターでのテストを含めてこれまでにアルピーヌがピアストリに資金を投じてきた事は事実だ。

サウナウアーはCRBの裁定が出る以前、仮にピアストリがチームを去った場合は「90%以上」の確率で損害賠償を求める訴えを起こすとの意向を示している。