チーム代表を務めるフランツ・トストの”信用しない発言”を受けファエンツァの技術部門を率いるジョディ・エギントンは、文脈から外れて受け取られた可能性があり、目標を達成できていないのはそれが非常に野心的であるため等として釈明した。

ノーポイントに終わった開幕バーレーンGPを経てアルファタウリの指揮官は、2023年型F1マシン「AT04」に期待されていた性能向上がもたらされなかったとして、エンジニアに対する信頼は失われたとぶちまけた。

英「Autosport」によるとトストの衝撃発言についてエギントンは「エンジニアリングチームは2019年、20年、21年に表彰台をもたらした時から変わっていない」と述べ、「文脈から少し外れて受け取られた可能性があり、正確な状況を示してはいない」と主張した。

「フランツは幾つかのインタビューの中で何度か示唆したが、何も変わってはいない。やるべき事については誰もが意見を同じくしており、我々は歩み続けている」

「チーム代表としてフランツが失望しているのは、期待していたような中団争いに足る十分な競争力が今年のマシンにないためだ」

アルファタウリは第2戦サウジアラビアGPでも無得点に終わったが、角田裕毅が10位フィニッシュを果たして今季初ポイントを獲得するなど、第3戦オーストラリアGPでは一歩前進した様子を見せた。

ニック・デ・フリースはフロアボディとフロアエッジ、フロアフェンスとディフューザーにアップグレードを投じた新スペックを使ったが、角田裕毅はFP1で発生したスピンによって旧仕様へのロールバックを強いられた。アップグレード版を使っていれば更なる好結果もあったかもしれない。

エギントンは「我々はチームとして働き、フランツと共に腰を据えて議論しており、前に進み続けている」と語る。

「我々は幾つかの成果を達成した。他にも達成すべき目標はあるが、今後、それに取り組んでいくつもりだ」

「目標を達成した時、それがもっともなターゲットであり、中団での地位を確立させるのに十分なものであった事が証明されると信じている」

アルファタウリのテクニカル・ディレクターはまた、「もし全ての目標を冬の間に楽に達成できたとするならば、それは誤った目標を設定した可能性が高い」とも述べ、現時点で目標を達成できていないのは非常に野心的な目標を掲げているためだとも主張した。

「我々はアグレッシブな目標を立てた。その内の幾つかはローンチ仕様で達成した。他の幾つかは達成の途上にある」

「シーズン序盤の開発競争でライバルを出し抜き、追いつけることを願っている。開発なくして追いつくことはできない」

独「Sport1」とのインタビューの中でトストが明かしたところによると、期待外れのシーズン開幕戦を経てアルファタウリは既にエアロダイナミクス部門を再編しており、何名かのスタッフはチームを去った。

トストはまた「レッドブルとの協力関係は今や強化された」とも述べ、方針転換を仄めかした。アルファタウリは「AT04」のレッドブル・パーツ依存率を先代よりも下げ、より多くのコンポーネントを内製化した。