Google Chromeのブランディングが施されたマクラーレンMCL36の18インチホイールカバー、2022年3月19日F1バーレーンGP
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1バーレーンGP決勝公式グリッドとタイヤ戦略考︰蹴り出し不利のレッドブル勢、最大の注目はスタートコンパウンド選択

  • Published: Updated:

3月20日(日)の日本時間24時よりバーレーン・インターナショナル・サーキット(BIC)で開催される2022年シーズンのF1世界選手権開幕バーレーンGPの公式スターティング・グリッドが国際自動車連盟(FIA)より発表された。

今週末は2日目に向けて、アルファロメオがバルテリ・ボッタスの77号車に今季2基目のCE(コントロール・エレクトロニクス)を投入した。もう1基を開封すれば10グリッド降格となるが、今週末は今のところその兆候はない。

レッドブルとアルピーヌは初日にセルジオ・ペレスとエステバン・オコンに新たなギアボックス・アッセンブリーを投入したが、こちらも罰則の対象外だった。

現時点では予選順位とグリッドに相違はなく、シャルル・ルクレール(Ferrari)がポールポジションにつき、その横にマックス・フェルスタッペン(Red Bull)が並ぶ事になる。

想定されるタイヤ戦略

BICの舗装にはイギリスから輸入した粗い花崗岩が使われており、摩耗や劣化が激しくタイヤへの攻撃性が高い。57周のレースは2ストッパーが有力視される。

ピレリはソフトを2セット、ミディアムを1セット使う2ストップが最速のタイヤストラテジーだと分析する。

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「我々は、明日は少しばかり暖かくなると予想している。2ストップだろう。ただ、ドライバーによっては違う方法を選ぶ余地もあるかもしれない」と語った。

2022年仕様のピレリ製18インチF1タイヤ5種類 (2)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2022年仕様のピレリ製18インチF1タイヤ5種類

最大の問題、そして見所はスタートタイヤの選択だ。F1は2022年シーズンに向けて、Q2突破の中古タイヤでのスタートを義務付けるルールを撤廃した。今季はQ3組を含めた全車が自由にスタートタイヤを選ぶ事ができる。

各コンパウンドのラップタイムには大きな開きがある。今週末は各々のギャップが最大で1.5秒近い。ソフトはミディアムより、ミディアムはハードより、速度面で大きなアドバンテージを持つ事になる。

ソフトでスタートすれば序盤にトラックポジションを上げやすくなるが、ミディアムの方がレース展開と状況に合わせてピットストップのタイミングを柔軟に動かす事が出来る。

2022年F1バーレーンGPドライバー別残存タイヤセット数 (1)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2022年F1バーレーンGPドライバー別残存タイヤセット数

ソフト、ミディアム、ミディアムで走れるのはバルテリ・ボッタス、アレックス・アルボン、周 冠宇、ニコラス・ラティフィの4名のみ。ミディアム、ハードの懸けの1ストッパーギャンブルに打って出る可能性があるのは、Q2相当の競争力が期待されながらもQ1敗退を喫したダニエル・リカルド、角田裕毅、アストンマーティン勢だろう。

2022年F1バーレーンGP決勝タイヤストラテジーCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2022年F1バーレーンGP決勝タイヤストラテジー

優勝争いが期待されるレッドブルとフェラーリは何を選んでくるだろうか?

フェルスタッペンは2番手、セルジオ・ペレスは4番手と、レッドブル勢は蹴り出しの面で不利なダーティーサイドの偶数列に並ぶことになる一方、フェラーリの2台はクリーンサイドのアドバンテージを持つ。

レッドブルはレースペースに強い自信を示しているが、フェラーリの今季パワーユニットはディフェンスに適した強力なパワーを秘めているように見える。

バーレーン・インターナショナル・サーキットでレッドブルRB18を駆るマックス・フェルスタッペン、2022年3月19日F1バーレーンGPフリー走行3にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

バーレーン・インターナショナル・サーキットでレッドブルRB18を駆るマックス・フェルスタッペン、2022年3月19日F1バーレーンGPフリー走行3にて

新時代のグランドエフェクトカーは本当にバトルに適しているだろうか? ホイール・トゥ・ホイールからのオーバーテイクは本当に容易になっているのだろうか? 不確定要素が多いだけに、戦略の幅を狭める事は懸命とは言えない。

特にこれは新しいレギュレーションの下での初戦であり、ポーパシングによる振動、18インチの導入によって悪化したコックピットからの視界、幅が広いフロントウイングなど、クラッシュやテクニカルトラブルの等の予期せぬインシデントを誘発する可能性のある材料は幾らでもある。

更には両チームともに2台が揃って上位に並ぶ事になるため、コース上での直接対決だけでなく、アンダーカットやオーバーカットを含めたピット戦を想定する必要がある。互いに戦略を分けてくる可能性が高そうに思われる。

2022年F1バーレーンGP 決勝グリッド


1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周で争う2022年F1バーレーングランプリ決勝レースは、日本時間3月20日(日)24時にスタートの時を迎える。

日本ではDAZNフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。

Pos No Driver Team Qualifying
1 16 C.ルクレール フェラーリ 1(-)
2 1 M.フェルスタッペン レッドブル・RBPT 2(-)
3 55 C.サインツ フェラーリ 3(-)
4 11 S.ペレス レッドブル・RBPT 4(-)
5 44 L.ハミルトン メルセデス 5(-)
6 77 V.ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 6(-)
7 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 7(-)
8 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 8(-)
9 63 G.ラッセル メルセデス 9(-)
10 10 P.ガスリー アルファタウリ・RBPT 10(-)
11 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 11(-)
12 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 12(-)
13 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 13(-)
14 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 14(-)
15 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 15(-)
16 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 16(-)
17 27 N.ヒュルケンベルグ アストンマーチン・メルセデス 17(-)
18 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 18(-)
19 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 19(-)
20 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 20(-)

F1バーレーンGP特集