レッドブル・ホンダ今季初優勝!フェルスタッペンがメルセデスを撃破 / F1-70周年記念GP《決勝》結果とダイジェスト
2020シーズンFIA-F1世界選手権 第5戦70周年記念GP決勝レースが8月9日に行われ、予選4番グリッドからスタートしたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがメルセデスを撃破。70周年を記念したメモリアルグランプリで今季初優勝、通算9勝目を飾った。2位はルイス・ハミルトン。ポールシッターのバルテリ・ボッタスは3位表彰台という結果となった。
チェッカーフラッグを受けたフェルスタッペンは無線を通して「なんて素晴らしいレースだろう!諦めずに攻め続けたからこそ得られた結果だ。今日は何て素晴らしい日なんだろう。今日はチーム全員が全てを完璧にこなしたと思う」と語った。
© Getty Images / Red Bull Content Pool
負けたメルセデスと勝ったレッドブル・ホンダ。勝敗を分けた直接的要因はタイヤのブリスターだった。
メルセデス「W11」は4輪全てがオーバヒート気味となり、酷いブリスターによってパフォーマンスが制限された。他方レッドブル・ホンダ「RB16」はブリスター知らず。同じシルバーストンで行われた前戦よりもタイヤの内圧が引き上げられた事を念頭に入れ、決勝での展開を見越して施したセットアップの差、チーム総力戦の賜物と言えるかもしれない。
ホンダエンジン勢はフェルスタッペンの優勝含めて3台が入賞を果たした。9番グリッドからスタートしたアレックス・アルボン(レッドブル)は、全20台の中で最も早く6周目にピットストップを実施。隊列外を走行することで好ペースを維持しミッドフィールドを駆け上がると、その後はオーバーテイクを重ね、フェラーリのシャルル・ルクレールに続く5位でフィニッシュした。
予選Q1敗退を喫して16番グリッドからの巻き返しに臨んだダニール・クビアト(アルファタウリ)は、第1スティントを19周目まで引っ張る戦略が功を奏し、ポイント圏内の10位でクルマを降りた。
僚友ピエール・ガスリーは7番グリッドからのスタートであったものの、1回目のピットストップの際にランド・ノリス(マクラーレン)とルクレールにオーバーカットを許し後退。22周目にはアルボンにポジションを明け渡し、11位フィニッシュという悔しい結果に終わった。
第5戦の舞台は、前戦と同じく超高速コーナーが特徴のシルバーストン・サーキット。公式タイヤサプライヤーのピレリは、先週末よりも1段柔らかい中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入した。
ハードをスタートタイヤに選んだのはフェルスタッペン、ベッテル、サインツ、クビアト、ライコネンの5台で、それ以外の15台はミディアムをチョイスした。殆どが2回以上のピットストップを要したが、4位ルクレール、8位オコン(ルノー)、15位ライコネン(アルファロメオ)の3台は果敢にも1ストップを採用した。ルクレールの4位は1ストップなしには成し得なかった。
決勝は日本時間9日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周5,891mのコースを52周する事で争われた。現地シルバーストンは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温24.4℃、路面42.9℃、湿度61%、気圧1001.1hPAのドライコンディションで開始された。
注目のオープニングラップでは、特に目立った接触事故などはなかったものの、セバスチャン・ベッテルがターン1でイン側の芝に乗り上げハーフスピンを喫し、最後尾20番手まで後退した。4番グリッドのフェルスタッペンはターン1でヒュルケンベルグを交わして3番手に浮上した。
Problems for Seb off the start – he's spun!
He's now running in P18 #F170 🇬🇧 #F1 pic.twitter.com/beoc22Mxuc
— Formula 1 (@F1) August 9, 2020
10周を過ぎ、ここがチャンスと見たフェルスタッペンは「これが唯一のチャンスだ。おばあちゃんみたいに座って見ている場合じゃない」とエンジニアの静止を振り切り、2番手を走るハミルトンへの攻撃を開始。DRS圏内につけて執拗に責め立てた。
タイヤにブリスターを抱えたメルセデスの2台は早々のピットストップを余儀なくされ、フェルスタッペンが代わってラップリーダーに浮上。フェルスタッペンはハードタイヤの耐久性と耐熱性を活かして第1スティントを27周目まで引っ張りミディアムに交換。トップを走るボッタスの後方コンマ2秒の位置でコースに復帰すると、あっという間にこれを交わしてトップの座に就いた。
主導権を手にしたフェルスタッペンは、メルセデスの動きに合わせてレースをコントロール。33周目にピットへと入ったボッタスに合わせて2セット目のハードタイヤに交換し、敵なしの孤独なレースを消化してトップチェッカーを受けた。
ハミルトンは41周目にピットイン。4番手でコースに復帰すると、フレッシュタイヤのアドバンテージを活かしてまずはルクレールを料理。残り3周でボッタスをオーバーテイクして2位でフィニッシュした。
注目のレーシングポイント勢はランス・ストロールが6位、ニコ・ヒュルケンベルグが7位でフィニッシュし、ダブル入賞を果たした。ヒュルケンベルグは残り9周まで5位を走行していたものの、突然のピットインによって7番手に後退した。チームはヒュルケンベルグから酷いバイブレーションが発生しているとの報告があったため、と説明した。
ハースのケビン・マグヌッセンはターン15でコースオフした際に、トラックを走行していたニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)にぶつかる危険な動きでコースに復帰。一件は審議の対象となり、スチュワードによって5秒ペナルティが科されると、最後尾を走行していた43周目にガレージへと入りリタイヤを選択した。
表彰台をターゲットとしていたルノーのダニエル・リカルドは、30周目にターン3でコントロールを失い、9番手から12番手に後退。その後も奮わず、14位という失望の結果に終わった。
2020年F1第5戦-70周年記念GP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 52 | 1:19:41.993 | 25 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 52 | +11.326s | 19 |
3 | 77 | ボッタス | メルセデス | 52 | +19.231s | 15 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 52 | +29.289s | 12 |
5 | 23 | アルボン | レッドブル | 52 | +39.146s | 10 |
6 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 52 | +42.538s | 8 |
7 | 27 | ヒュルケンベルグ | レーシングポイント | 52 | +55.951s | 6 |
8 | 31 | オコン | ルノー | 52 | +64.773s | 4 |
9 | 4 | ノリス | マクラーレン | 52 | +65.544s | 2 |
10 | 26 | クビアト | アルファタウリ | 52 | +69.669s | 1 |
11 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 52 | +70.642s | 0 |
12 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 52 | +73.370s | 0 |
13 | 55 | サインツ | マクラーレン | 52 | +74.070s | 0 |
14 | 3 | リカルド | ルノー | 51 | +1 lap | 0 |
15 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 51 | +1 lap | 0 |
16 | 8 | グロージャン | ハース | 51 | +1 lap | 0 |
17 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 51 | +1 lap | 0 |
18 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 51 | +1 lap | 0 |
19 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 51 | +1 lap | 0 |
NC | 20 | マグヌッセン | ハース | 43 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 24.4℃ |
路面温度 | 42.9℃ |
周回数 | 52 |
セッション概要
グランプリ名 | F1-70周年記念GP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | シルバーストン・サーキット |
---|---|
設立 | 1947年 |
全長 | 5891m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |