52周のレースを終えてピットへと戻ってきたレッドブル・ホンダRB16、70周年記念GPにて
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“コンサバタイヤ”ではメルセデスに勝てない?フェルスタッペン「僕は奇跡なんて期待しない」

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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、70周年記念GPの勝利の鍵はピレリが持ち込んだ不相応に柔らかいレンジのタイヤコンパウンドにあると考えており、今後も同じような形で競争力を発揮できるとは考えていない。

前戦イギリスGPの結果が物語るように、シルバーストン・サーキットにおけるメルセデスのパフォーマンスは圧倒的だ。それは第2レースとして行われた70周年記念GPの予選でも変わらなかったが、日曜日になると状況が一変した。

ピレリは、70周年記念GPの名の下に行われたシルバーストンでの第2レースに、第1レースよりも1ステージ柔らかいC2~C4タイヤを持ち込んだ。決勝でメルセデスは、開始早々からブリスターに苦戦。これをチャンスを踏んだフェルスタッペンが猛追し、難なく交わして今季初勝利を飾った。

願わくば今後も手に汗握る接戦を期待したいところだが、フェルスタッペンは今回の勝利が特異な状況によってもたらされたものだと考えており、”相応”のタイヤ選択が行われる次戦スペインGP以降のレースでは、再びメルセデスとのギャップに苦労する事になると予想している。

レース後のトップ3カンファレンスの中でフェルスタッペンは「メルセデスとのギャップを完全に埋めるのは本当に厳しいと思う。今日はタイヤという点で良い仕事をしただけさ」と語った。

「コンサバなタイヤが供給される状況に戻れば、誰も今日みたいなブリスターに苦しむ事もないし、今日みたいにタイヤマネジメントをする必要もないから、僕らにとっては少し難しいだろうと思う。この後向かうコースの殆どは基本的に1ストップだしね」

メルセデス以外のドライバーが今季初めてトップチェッカーを受けたイベントとなっただけに、今後のカレンダーにおいても同様に、不相応なソフト寄りのコンパウンドを持ち込むべきだとの意見もあるが、フェルスタッペンはそれをF1やピレリに働きかけるつもりはないと語る。

「それを推し進めるのは僕の責任じゃないし、僕にできる事でもない」とフェルスタッペン。

「今日の僕らは良いレースをした。もしかするとタイヤのおかげかもしれない。でもそんなの誰にも分からない。今はただ、今日の結果を喜ぶべきだと思うけど、同時に現実的でなきゃならない」

「予選でのペースはまだかなり遅れを取っているから、まずはそれを解決しなければならないし、次のバルセロナでは硬めのコンパウンドが戻ってくる」

「先週末のレースで見た通り、あのタイヤではメルセデスに対してかなりのタイム差がある。だから僕は奇跡を期待してはいない。(スペインGPの舞台であるカタロニア・サーキットが)タイヤに厳しいコースである事は分かっているけど、その分だけ今日よりハードにプッシュ出来てしまうからね」

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