《動画》F1ベルギーGP 2017《決勝》ハイライト / あわや大惨事!時速300kmでの同士討ち
後半戦のスタートとなった第12戦F1ベルギーGPの決勝は、ドライコンディションながらも4台のマシンがチェッカーフラッグを受けることなくリタイヤ、荒れたレースとなった。1時間24分に及ぶ戦いに打ち勝ったのはメルセデスAMGのルイス・ハミルトン、通算58勝目をマークし2017年のスパを制した。
フォース・インディア勢の今季二度目の同士討ち、フェルナンド・アロンソの豪快なオーバーテイク、白熱のホイール・トゥ・ホイールでのバトルなど、緊迫した実に見応えのあるレースとなった。
F1公式が公開した6分8秒のハイライト動画を以下に紹介する。デイビット・クロフト、マーティン・ブランドル、テッド・クラヴィッツの3人が解説を務める。
ハイライト動画の主な内容
映像に収録されている内容から幾つかピックアップして解説する。
ブラックアウト後大きくポジションを上げたアロンソは、スパ名物のロングストレートでルノーエンジンのニコ・ヒュルケンベルグを豪快にオーバーテイク、僅か1周で順位を3つ上げた。パワー不足を指摘されるホンダエンジンがライバルチームに対して速さを見せた。だが、これは長くは続かなかった。3台を追い抜いたアロンソは、その後立て続けに抜き返されてしまった。
アゼルバイジャンGPでチーム内事故を演じた中堅フォース・インディア勢、ベルギーGPでは1度ならず2度も同じ場所で、セルジオ・ペレスがエステバン・オコンを壁際に追いやった。共に時速300km近い速度が出ている状況下での接触であり、レースを終えたオコンは命が危なかったとペレスを非難した。
チーム首脳陣は、再三に渡る同士討ちを経て、以降はチームオーダーを発動すると公言した。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、オレンジ色のオランダファンの目の前で今季6度目のリタイヤを喫した。12戦を終えての完走率は50%、これより酷いのはマクラーレン・ホンダのアロンソのみ。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、トラブルの原因はエンジンであることを明らかにしている。エンジンの開発競争は過酷さを増している。
現役最多4勝のスパウィナーであるキミ・ライコネンは、ダブルイエローを無視したとしてかなり重い10秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティーが科せられた。フェルスタッペンのマシン停止に伴い提示された黄旗は、直ぐにでも停車できるスピードでの走行が義務付けられているが、ライコネンは全く減速せずに当該区間を通過した。
「エンジンに問題がある」と無線でチームに伝えたアロンソは、25周目にガレージにマシンを戻した。今季8度目のリタイヤ。レース後ホンダが明らかにしたところでは、アロンソのエンジンに問題は確認されていないとの事。マシンの遅さに嫌気が指したアロンソが、故意にレースを放棄した疑いが浮上している。