ベルギーGPでリタイヤするフェルナンド・アロンソ
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トラブルを訴えたアロンソ、故意にレースを放棄か?ホンダF1「データ上では問題なし」

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終始マシンの遅さに不満を訴え、最終的には「エンジンに問題がある」との無線を最後に、F1ベルギーGP決勝をリタイヤしたアロンソだが、実際にはホンダのエンジンには問題がなく、故意のレース放棄である可能性が浮かび上がった。ホンダF1によれば、データ上では問題は確認されなかったものの、アロンソが異常を感じたため、マシンをガレージに戻す事を決めたという。

ホンダF1「アロンソのリタイヤは予防措置、問題は確認されていない」

ルノーのジョリオン・パーマーにグリッド降格ペナルティーが科せられたため、アロンソは予選より一つ上の10番グリッドからレースをスタートした。巧者アロンソはオープニングラップで7番手までポジションを上げるも、その翌周以降に立て続けにゴボウ抜きされ「恥だ!マジで恥ずかしい…」と無線で訴えた。

マクラーレン・ホンダのマシンの非力さに怒り心頭のアロンソは、レース中に不満を述べ続けていた。以下その一部を紹介しよう。

6周目、エンジニアがアロンソに「マグヌッセンはグロージャンの1.4秒後方にいるよ」と伝えると、アロンソは「タイム差なんて知ったことか。これは単なるテストに過ぎないんだから」と返答。本番レースを「ただのテスト」と言い放った。

17周目、「リアタイヤを守るために”シェープ4″にした方が良いよ。フロントのロックには気をつけてね」との無線に対し、「レースが終わるまで無線で話しかけないでくれ」とアロンソ。20周目には、「せっかくマシンをオーバーテイクしても、例外なくその翌周に抜き返されちまう。為す術がないんだ…。でも、抜かれたからって俺の人生には影響ないけどさ!」と愚痴った。

そして、リタイヤ直前の1分前に「雨は降らないのか?」と尋ね、チームが「レーダー上では雨は確認されてないよ」と答えると、すぐさま「エンジンに問題がある」と言ってリタイヤを要求した。

アロンソがチェッカーフラッグを受けることなくレースを終えたのは今年で8回目となるが、今回のベルギーGP同様に第3戦バーレーンGPでも、データ上での問題が確認されていないにも関わらず、アロンソは自らピットインを要求しマシンを降りている。

データ上で問題が確認されていない=問題は何もない、とは言い切れないが、アロンソの過去の言動と振る舞いを考えれば、レース放棄と見られてしまうのもやむを得ない部分がある。ドライビングは超一級レベルだが、感情的になっている時のアロンソには、物事を誇張する傾向が見られる。

ライバルに比べてマイレージが不足しているホンダとしては、レースであれ練習であれ、走行距離を稼いで開発にフィードバックさせたいのが本音、もし仮に故意にレースを放棄したのだとすれば、アロンソは自分の首を自分で絞めている事になる。

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