ハミルトン、“古巣を引き合い”にフェラーリに改善要求へ「勝つためにここにいる」 ルクレールもオランダGP戦略に納得せず

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表彰台まであと一歩に迫ったルイス・ハミルトン(フェラーリ)の頭には、レース後も決して納得できない2周の出来事が残っていた。2026年F1第12戦オランダGPの決勝で異なるタイヤ戦略を採っていたチームメイトの背後でタイムを失った、あの2周だ。

ハミルトンはこの一件をめぐり、同じザントフォールトでのレース中に、ドライバーに指示を出して迅速に順位を入れ替えた古巣メルセデスの対応を引き合いに出し、チームを批判した。

古巣引き合いに批判「メルセデスはすぐにやる」

ザントフォールト・サーキットを走行するルイス・ハミルトンのフェラーリSF-26、2026年8月23日(日) F1オランダGP決勝Courtesy Of Ferrari S.p.A.

ザントフォールト・サーキットを走行するルイス・ハミルトンのフェラーリSF-26、2026年8月23日(日) F1オランダGP決勝

第2スティントでハードタイヤを履いたハミルトンは、自身よりわずかに古いミディアムタイヤで走るシャルル・ルクレール(フェラーリ)の背後まで追いつくと、「僕の方がシャルルより速い。タイヤもいい」とチームオーダーを要求した。

だが、フェラーリは順位交換を指示しなかった。その代わりにルクレールをピットに呼んだが、ルクレールはすぐには応じず、状況が分からないまま後方で待たされたハミルトンは、明らかに不満な口調で「ただただタイムをロスしている!」といら立ちを隠さなかった。

ルクレールが1周後にようやくピットに入ると、ハミルトンは「時間を無駄にする素晴らしいやり方だね。お見事だよ!」と皮肉を放った。

ルクレールの後方に留め置かれたこの2周によるロスは1~2秒程度とみられる。最終的にジョージ・ラッセル(メルセデス)に迫りながらも4位でチェッカーを受けたハミルトンは、この際のロスが3位と4位を分けたとの考えを繰り返し強調した。

パドックを歩くルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2026年8月21日(金) F1オランダGPフリー走行(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Ferrari S.p.A.

パドックを歩くルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2026年8月21日(金) F1オランダGPフリー走行(ザントフォールト・サーキット)

一方、メルセデスはフェラーリとは対照的に、チームオーダーを通してジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリの順位を即座に入れ替えた。

メルセデスはバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された局面で、2番手を走行していたアントネッリをピットに入れた。コースに戻ったアントネッリの前にはラッセルがおり、アントネッリはすぐにラッセルに追いついたが、ザントフォールトでは追い抜きが難しい。さらに後方には新品タイヤを履いたフェラーリ勢が迫っていた。

メルセデスは2台を争わせず、ラッセルに対してアントネッリを前に出すよう指示。ラッセルはすぐにアントネッリに道を譲った。実際に目の前で見ていたハミルトンは、この場面に言及しないわけにはいかなかった。無線での発言について問われたハミルトンは、こう語った。

「僕は勝ちたい。勝つためにここにいるんだ」

「僕らの前の連中を見れば、メルセデスの2人に指示が出て、それで全てが片付いている。すぐに実行に移すんだ」

「彼らはキミ(アントネッリ)を前に出して、レースをさせた。僕は[ルクレールとは]違う戦略を採っていたけど、このチームでは同じようにはならない」

「そこが少し難しいところだけど、この話は裏でする。このあと戻ったら、チームと話す」

さらにハミルトンは「僕は勝つためにここにいるし、このチームは勝てると本当に信じている。今回は勝てなかった。でもチャンピオンシップ争いで勝つには、あらゆるポイントを拾っていかなきゃならない。ここ数戦はペナルティなどもあって厳しかった。そして今日は、シャルルの後ろで数秒失った。それが最終的に結果を分けたと思う」と語った。

「僕の目標は、このチームをチャンピオンシップ制覇に導くことだ。間違いなくまだ取り組まなきゃならないことがある」

オランダGP終了時点でハミルトンは、ドライバーズ選手権首位のアントネッリから59ポイント差の3位につけており、ルクレールに対しては28ポイント先行している。

早期ピット「驚いた」、ルクレールも戦略に不満

雨が降るピットレーンで2位ボードの脇に立つシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2026年8月22日(土) F1オランダGPスプリントCourtesy Of Ferrari S.p.A.

雨が降るピットレーンで2位ボードの脇に立つシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2026年8月22日(土) F1オランダGPスプリント

一方のルクレールは、あのタイミングでのピットインの指示に納得していなかった。

当時ルクレールはラッセルと3位を争っていた。前方を走るラッセルが先にピットインしたため、ルクレールは終盤に新しいタイヤでラッセルと勝負すべく、自身のスティントを延ばしてタイヤの履歴差を作ろうとしていた。だがその矢先、ラッセルがピットに入ったわずか2周後にピットインを指示された。

「僕にとっては、終盤に追い上げるために、メルセデスに対してタイヤのデルタを築くことがすごく重要だった。それを十分にできなかったから、なぜそうなったのか確認する必要がある」とルクレールは説明する。

「望んでいた通りの展開になっていたのに、あんなに早くピットに入るよう言われてすごく驚いた。ジョージ(ラッセル)がピットに入ったんだから、僕らとしてはそこから5周、10周長く走ってデルタを作り、終盤にジョージを追いかけるべきだった」

ハミルトンが背後で待たされたことについては、自身も第1スティントでチームのためにリスクを負わなければならなかったと説明した。

「僕は第1スティントがすごく良かったけど、前のマシンをアンダーカットするために早めにストップしなきゃならなかった。そういう風にチームとして戦わなきゃならないこともある」

「特に第1スティントでは、そのために少しリスクを負わなきゃならないこともある。ルイスは第2スティントですごく速かったけど、そういうものだよ。僕が不満に思う時もあれば、ルイスがそう感じる時もあると思う。でも、そういうものだ」

ステージ上でマイクを手に笑顔を見せるフェラーリのシャルル・ルクレールと隣に立つルイス・ハミルトン、2026年8月22日(土) F1オランダGPCourtesy Of Ferrari S.p.A.

ステージ上でマイクを手に笑顔を見せるフェラーリのシャルル・ルクレールと隣に立つルイス・ハミルトン、2026年8月22日(土) F1オランダGP


2026年F1第12戦オランダGPの決勝レースでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを達成。今季2勝目を上げた。レーシング・ブルズから代役参戦した角田裕毅は、入賞圏内に迫るも惜しくも11位と、ポイント獲得とはならなかった。

モンツァ・サーキットを舞台とする次戦イタリアGPは、シーズン第13戦として9月4日のフリー走行1で幕を開ける。

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