
メキーズ謝罪の事態に。フェルスタッペン「このクソ車が」 不具合で2戦連続”超危険”クラッシュ、RBマカレナ封印も辞さず
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、リアウイングの不具合を原因とする2戦連続でのクラッシュを受け「とんでもなく危険だ」と苛立ちを露わにし、チーム代表のローラン・メキーズが謝罪する事態に発展した。
4度のF1王者は、2026年F1第9戦イギリスGPの決勝で3番手を走行していた48周目、高速のストウ(ターン15)でコントロールを失い、コースアウトを喫した。
フェルスタッペンは前戦オーストリアGP予選でもクラッシュを喫していたが、原因は今回と同じくリアウイングの不具合にあった。コーナーへの進入時にストレートモードが解除される際、リアウイングが適切に閉じず、リア側のダウンフォースが失われていた。
リアウイング不具合「超危険」と苛立ちを露わ
表彰台を手中に収めつつあったフェルスタッペンにとって、2戦続けての高速クラッシュは、募る不満を決定的なものにした。
それは、クラッシュの直後にRB22に対して静かに言い放った「このクソ車が、クソッ。 信じられない。ふざけんな」との無線での暴言に如実に表れていた。
「とんでもなく危険だ。2度も大怪我をする可能性があった。オーストリアでは運が良かった。ここでも運に恵まれた。だからこそ、本当にうんざりする」とフェルスタッペンは振り返った。
フェルスタッペンによれば、迎えた結末こそ同じだが、2つのクラッシュの詳細な理由は同じではなかったという。
「違う不具合だけど、結果は同じだ。コーナーに入っていく時にリアウイングが完全に閉じ切らず、そのせいで大量のダウンフォースを失ってしまうんだ。そうなれば、スピンしてコースアウトするしかない」とフェルスタッペンは説明した。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
サイド・バイ・サイドでポジションを争うジョージ・ラッセル(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2026年7月5日(日) F1イギリスGP決勝(シルバーストーン・サーキット)
フェルスタッペンはまた、仮に3位でフィニッシュできていたとしても、マシンのパフォーマンスはその結果に「まったくふさわしいものではない」とも指摘した。
「特にハードタイヤでは本当に遅かった。ジョージとルイスをあれほど長く後ろに抑えられた理由が分からない」
「週末を通じてバランスはひどかったし、ガレージのもう一方のマシンと比べてもトップスピードがまったく出ていなかった。そして予想していた通り、レースでもその状況はまったく変わらなかった」
フェルスタッペンは決勝に先立ち、パルクフェルメ規定違反によりピットレーンからスタートすることになっても、パワーユニット(PU)を交換しセットアップを大幅に変更すべきだとチームに訴えていたが、その希望は聞き入れられなかった。
レッドブル版マカレナ、構造に潜むリスク
Courtesy Of Red Bull Content Pool
縁石に乗り上げるマックス・フェルスタッペンのレッドブルRB22のリアビュー、2026年6月26日(金) F1オーストリアGPプラクティス(レッドブル・リンク)
一連のクラッシュの背景には、レッドブルが採用する独特なリアウイングの機構がある。フェラーリが先鞭をつけた上下が反転するこの特殊なウイングは、「マカレナ・ウイング」などと呼ばれている。
多くのチームは、2011年から2025年まで使われた追い抜き支援システム(DRS)に似た設計のウイングを用いている。リアウイングの上側のフラップが、前方から数度だけ上向きに開く方式だ。
これに対してレッドブル・レーシングとフェラーリは、ウイングを180度近く回転させることで、より大きな空気抵抗の低減と、より高いトップスピードを追求してきた。
両者のシステムは似ているが、ウイングの回転する方向が異なる。レッドブルのウイングは、前縁が下向きへと回転しながら上下が逆さまになるように開く。フェラーリのものは、前縁が上向きに回転した後に反転する。
メキーズ謝罪、マカレナ封印も排除せず
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ピットウォールでセッションを見守るローラン・メキーズ(レッドブル・レーシング代表)、2026年6月12日(金) F1スペインGPプラクティス(カタロニア・サーキット)
立て続けに発生したリアウイングのトラブルを受け、メキーズはレース後、フェルスタッペンへの謝罪を口にした。
「何よりもまず、マックスに謝罪することから始めなければならない。レース終盤に彼のマシンのリアウイングに問題が生じ、それが最終的にコースアウトを招くことになった」
「この種のインシデントが発生したのは今回が初めてではない。我々は極めて深刻に受け止めており、再発防止のために必要なあらゆる対策を講じるつもりだ」
メキーズはまた、フェルスタッペンが不満を抱くのは当然だとも認めた。
「2戦連続で、高速コーナーにおいてマシンに裏切られるのは、たとえその理由が異なっていたとしても、ドライバーにとっては非常に不快なことだ」
レッドブルは今後もマカレナ・ウイングを使い続けるのだろうか。メキーズは「あらゆる選択肢にオープンだ」と述べ、従来型のウイングに回帰する可能性を排除しなかった。
募る不満と揺れる去就、視線はスパへ
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レゴ製カートでドライバーズパレードに参加するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2026年7月5日(日) F1イギリスGP決勝(シルバーストーン・サーキット)
フェルスタッペンの不満は、この日のクラッシュにとどまらず、今シーズン全体を通したレッドブルの信頼性および競争力不足にも向けられている。
開幕9戦を終えた現在、フェルスタッペンは首位のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)から103ポイント遅れのランキング7位に沈んでいる。そのうち3戦は、マシントラブルによるリタイアで失った。
「またも週末にこんなことが起きたのに、それでも楽観的でいられるとしたら、僕はよほど悟りを開いた人間だってことになる。悪いけど、そういうことなんだ。気持ちをリセットしてまた挑戦するために、数日は必要だと思う」とフェルスタッペンは語った。
フェルスタッペンは、特定の個人を責めているわけではないとしつつ、まずはレースを完走したいと訴えた。「何よりもまずはレースを完走したい。それだけで構わない。今は、うまくいかないことが多すぎる。ペースの話をするまでもなくね」
レース週末でのフラストレーションが募るなか、フェルスタッペンは現在、自身の去就を検討している。レッドブルとの契約は2028年まで残っているが、その契約には今季末での離脱が可能とされるパフォーマンス条項が含まれている。
フェルスタッペンのマネージャーを務めるレイモンド・フェルムーレンは、来季に向けた選択肢を探るべく、メルセデスやマクラーレンを含む有力なライバルチームと交渉を重ねているとみられている。
レッドブルは、7月17日(金)に開幕を迎える次戦ベルギーGPまでに、この問題の完全解決を迫られることになる。