違反は認定、それでもハミルトン母国3位を死守。黄旗不遵守もFIAがペナルティを科さなかった理由

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ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は2026年F1第9戦イギリスGPの決勝で問われた黄旗違反について、ペナルティで表彰台を失うことを覚悟していたが、ペドロ・ラミーを含む5名のスチュワードの裁定はその予想を覆すものだった。

聴聞を経てスチュワードは、ハミルトンがシングルイエロー区間で減速せず、F1規則第B1条8項4号aに違反したと認定しつつも、その処分を今季1回目となる戒告(ドライビング)にとどめる決定を下した。

表彰台喪失を覚悟したハミルトンへの朗報

すでにジャンプスタートによる5秒ペナルティを受けていたハミルトンにとって、戒告処分は思わぬ朗報となった。レースがセーフティーカー(SC)先導下で終了していたため、仮に5秒でもタイムペナルティが科されれば、ハミルトンは表彰台どころか入賞圏外に転落するところだった。

ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)がコース上で停止したことに伴い、コップス(ターン9)からマゴッツ(ターン10)にかけての高速区間付近にシングルイエローが提示された。38周目、ハミルトンはこの区間で減速しなかった。

ハミルトンは、召喚に応じてスチュワードのもとを訪れた後、黄旗の存在を認識していなかったとして、「きっとペナルティを受けると思う」と語り、表彰台を失うことを覚悟した様子を見せていた。だがスチュワードは最終的に、戒告が相当との判断を下した。

なぜFIAはペナルティを科さなかった?

スチュワードがペナルティを科さなかった理由は、黄旗に対応するための時間が「極めて限られていた」ことにあった。加えて興味深いことに、直前にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追い抜いたばかりで、その反撃を警戒して注意がそがれていた点も酌量事由と認められた。

スチュワードによれば、ハミルトンは黄旗や黄色のライトパネルが提示される前に当該区間へ進入しており、コップスの手前には、そうした表示は一切なかった。

ターン9を過ぎた直後の最初のライトパネル(ターン10の直前に設定)は緑色で、ステアリングホイール上のディスプレイに黄色の表示が現れたのは、ハミルトンが黄旗区間の終わりに近づいてからだったという。

スチュワードは、具体的な秒数を挙げず、「ステアリングホイールのディスプレイ上での黄色の表示は、非常に短い時間にとどまるものだった」とし、「ドライバーが黄旗表示に反応するために利用できた時間は非常に限られていた」と指摘した。

一方で、ステアリングホイール上のディスプレイに黄色が表示され、ターン10直前のライトパネルが緑色に点灯している状況を目の前にして(=ハミルトンが黄旗区間にいることの表れ)、なお明確に減速しなかったとして、ハミルトンはシングルイエロー下で求められる要件を完全には満たしていなかったと判断した。

ただ、冒頭に挙げた事由を酌量としてリザルトに影響するようなペナルティは科さず、戒告が適切な処分であると結論づけた。

この裁定により、ハミルトンは3位を死守し、ランキング首位に立つアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)との差を15点縮めて39点とした。

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