
F1イギリスGP決勝、裁定で結果修正。不適格SCオーバーテイクでサインツに異例「1周ペナルティ」
2026年F1第9戦イギリスGPの決勝を経て、許可されていないにもかかわらずセーフティーカー(SC)を追い越したとして、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)に異例の「1周ペナルティ」が科された。
無許可のSC追い越しでサインツ17位降格
この日のレースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のクラッシュを受けて最終盤にSCが導入された。そして残り2周の段階で周回遅れのマシンに対し、周回遅れを解消して隊列に戻ることを認めるメッセージが送られた。
この際にサインツは、他の周回遅れのマシンと同じようにSCを追い抜いた。だが、実際にはサインツは周回遅れではなく、SCを追い越す許可は与えられていなかった。
サインツは12位でレースをフィニッシュしていたが、完了ラップ数から1周減算するというこの異例のペナルティにより、17位に降格した。
これによりハースのオリバー・ベアマンとエステバン・オコン、セルジオ・ペレス(キャデラック)、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、そしてバルテリ・ボッタス(キャデラック)の順位がそれぞれ1つずつ繰り上がった。
この混乱の背景には、シルバーストン・サーキット特有のコースとピットレーンとの位置関係があった。
特有事情が招いた周回遅れをめぐる混乱
まず、SC導入後、サインツはタイヤ交換のためにピットに入った。ピット入口の手前に設置されたSCライン1を通過した時点で、サインツは周回遅れの状態だった。
だが、タイヤ交換を終えてコースに戻り、再びSCライン1を通過した時点で、サインツは一時的に周回遅れを解消した状態になっていた。その結果、サインツはF1規則第B5条13項4号cが定めるところの周回遅れのマシンではなくなっていた。
同規定は、SCを追い越してよいマシンについて「SC導入後、SCライン1を2度目に通過した周回の終了時に、その周回で周回遅れとなっていた車両のみ」と定めている。
それゆえ、「周回遅れのマシンはSCを追い越してよい」とのメッセージが表示された際、サインツにSCを追い越す資格はなかった。
ウィリアムズが犯した二つのミス
スチュワードは、この混乱の要因として「シルバーストン特有のコースおよびピットレーン構成」を挙げ、一連の事情への理解を示した。一方でチーム側は聴聞において、2つのミスを犯したと認めた。
第一に、F1競技規則第B5条13項4号cが定める基準において、サインツが周回遅れに該当していないと認識できなかったこと。第二に、SCの追い越しを許可された車両を示すレースコントロールのメッセージに、サインツの55号車が含まれていない点を見落としたことだ。
酌量の余地があったとはいえ、周回遅れか否かの判断を正しく下せなかったチーム側のミスが、最終的にこのペナルティを招く結果となった。