2025年F1カタールGP:「スティント制限ルール」を導入―全車2ストップ必須のタイヤ戦略バトルに

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今月末の2025年F1第23戦カタールGPで、タイヤ1セットにつき最大25周までとするスティント数の特例制限が導入されることが決まった。レースは57周で行われるため、最低2回のピットストップが必要になる計算だ。

この措置は、2024年大会で確認された摩耗傾向の分析結果を踏まえて決定された。カタールGPでは2021年の初開催以来、毎年例外なくタイヤトラブルが発生している。

舞台となるロサイル・インターナショナル・サーキットは高速コーナーが連続し、強烈な横方向の荷重、熱的負荷、そして物理的摩耗がタイヤを容赦なく襲う、F1カレンダー屈指の過酷なコースとして知られる。

昨年のパンク続出が引き金

スタート直後のターン1を前にポールポジションのジョージ・ラッセル(メルセデス)を追い抜きトップに立つマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2024年12月1日(日) F1カタールGP決勝レース(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

スタート直後のターン1を前にポールポジションのジョージ・ラッセル(メルセデス)を追い抜きトップに立つマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2024年12月1日(日) F1カタールGP決勝レース(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

2023年大会では、縁石によるタイヤ側面へのダメージと摩耗が懸念され、最大18周のスティント制限が課された。

だが制限が撤廃された2024年大会では、チーム側がピット回数を減らすべくスティントを大幅に延長する戦略に出た。その結果、特に左フロントタイヤの摩耗が限界域に達し、思わぬ事態を招いた。

実際、レース34周目には突如として、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とカルロス・サインツ(フェラーリ)が相次いでパンクを喫した。いずれも摩耗が進行した状態でコース上の破片を踏んだことが直接の原因だった。

こうした状況を踏まえ、公式タイヤサプライヤーのピレリはFIAおよびF1との合意のもと、タイヤの使用方法を制限することを決断。今回の25周制限に至った。

周回数は全セッションを通じて累積でカウントされる。セーフティーカーやバーチャル・セーフティーカー下での周回も対象だ。ただし、グリッドへの移動、フォーメーションラップ、そしてスプリントや決勝でチェッカー後に走った周回はカウント外となる。

タイヤ配分12セットで2レース

ミディアムタイヤを以てピットボックスに向かうアストンマーチンのピットクルー、2025年F1ベルギーGPCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ミディアムタイヤを以てピットボックスに向かうアストンマーチンのピットクルー、2025年F1ベルギーGP

チームに供給されるタイヤはハード2セット、ミディアム4セット、ソフト6セットの計12セット。土曜には19周のスプリントも控える。この限られた本数で、スプリントと決勝の両方を戦い抜く必要がある。

ピレリは、各タイヤセットの使用済み周回数を管理し、決勝前に各チームへ残存周回数を通知する予定だ。

ピレリは声明で、今回の決定の理由を次のように説明した。

「この措置は、2024年(昨年)に使用されたタイヤの分析結果に基づき、必要と判断されたものだ」

「昨年は複数のタイヤ、特に左フロントが最大摩耗レベルに達していた。ロサイルのコンディションと強烈な横Gが組み合わさり、タイヤ構造の疲労を増大させた」

「チーム側はピット回数を減らすため、性能低下を抑えつつデグラデーション管理に注力した。だが、それが時としてタイヤの耐用寿命を超えてスティントを延長するリスクを生み出した」

モナコとは異なる制約

ピットストップを行う角田裕毅(レッドブル・レーシングRB21)、2025年5月25日(日) F1モナコGP決勝(モンテカルロ市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ピットストップを行う角田裕毅(レッドブル・レーシングRB21)、2025年5月25日(日) F1モナコGP決勝(モンテカルロ市街地コース)

今季、チームがタイヤ戦略が制限されるのはこれが初めてではない。モナコGPではオーバーテイクの促進を狙って2ストップが義務化された。ただし、スティント数の制限はなく、ピットタイミングの自由度が残されていた点が今回と異なる。なお、同GPでは意図的にペースを落として隊列を抑え込む戦術が横行し、物議を醸した経緯がある。

カタールGPは、今週末のラスベガスGPと最終戦アブダビGPに挟まれる形で、11月30日に開催される。

チャンピオンシップ争いでは、ランド・ノリス(マクラーレン)が直近2連勝でランキング首位へ浮上。チームメイトのオスカー・ピアストリに24ポイント差をつけ、今週末のラスベガスGPに挑む。

F1カタールGP特集