
F1モナコGP、2035年までの開催が決定―1年足らずで2度目の契約延長
F1は2025年第16戦イタリアGPの初日を迎えた9月5日、モナコGPの開催契約を再び延長し、2035年まで継続開催することを正式に発表した。昨年11月にも契約を更新しており、1年足らずで2度目の更新に至った形だ。
主催者であるモナコ自動車クラブは、商業権保有者フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)に対し、従来より高額な開催料を支払うなどの譲歩を行った結果、さらに4年間の延長を確保したと見られる。
F1のステファノ・ドメニカリCEOは「モナコの街並みはF1創成期からエンジン音に包まれてきた。この素晴らしいイベントを2035年まで延長できたことを嬉しく思う。モナコGPはドライバーやファンに愛され、世界で最も華やかな公国ならではの独特の雰囲気を持つ象徴的なレースだ」と述べた。
さらに「モナコ公国のアルベール2世大公、モナコ自動車クラブ会長ミシェル・ボエリ氏、そして歴史的なパートナーシップの長期的未来を確保するため尽力したすべての関係者に感謝を申し上げたい」と謝意を述べた。
近年、モナコGPは追い抜きの難しさが批判の的となっている。2017年にマシンの車幅が1.8メートルから2メートルへ拡大されたことが拍車をかけたが、2026年には1.9メートルに縮小される予定だ。
さらに2024年大会では、タイヤ交換を2回義務付ける特別ルールが導入され、各チームが意図的にペースを落としてチームメイトを有利にする場面が見られた。ドライバーからは否定的な声が相次いだものの、現時点では来季も適用される見通しとなっている。
モナコGPは1950年の初代F1世界選手権カレンダーに含まれ、1955年以降は2020年の新型コロナウイルスによる中止を除き毎年開催されてきた。F1の伝統と格式を象徴する存在である一方、エンターテインメント性やレースの質を巡る議論は今後も続きそうだ。