
角田裕毅「いつも通りといった感じ」旧仕様で全力投球も”わずか数ミリ秒の壁”の前に再び敗退
2025年F1第13戦ベルギーGPのスプリント予選が7月25日(金)に行われ、レッドブル・レーシングの角田裕毅は12番手でSQ2ノックアウトを喫した。トップ10入りまで僅か0.056秒。SQ3進出を目前にしながらの敗退に、角田は悔しさを滲ませた。
終始タイムを失った第2セクター
角田は予選1回目(SQ1)で2度のアタックを敢行したものの、いずれのラップも第2セクターでチームメイトに対して著しくタイムを落とす展開となった。
13番手でなんとかSQ2進出を果たしたが、続くSQ2でも同様の課題を引きずり、1回目のアタックは途中で断念することに。残り時間が限られる中、その翌周をそのまま最終アタックに充てた。
この最終計測ラップでは、チームメイトのマックス・フェルスタッペンから0.601秒遅れ、12番手でノックアウトした。ただ、10番手とのギャップはわずか0.056秒という僅差で、惜しくもQ3進出を逃した格好だ。
続く、わずか数ミリ秒の壁
セッション後、角田は「正直、まだドライビングに苦労している部分があります。今回は0.06秒ほど足りませんでした。いつも通りといった感じです。本当に僅差の争いなので、些細な事柄の全てが重要なセッションでした」と語り、自身のドライビング精度に課題があることを認めつつ、またも”わずか数ミリ秒の壁”に敗れたことへの失望を滲ませた。
「たぶんどのドライバーも同じだと思いますが、振り返ってみると改善できたポイントは幾つかありますし、少なくとも、個人として改善できる部分もありました」
一方で、「全力は尽くしました」と語りつつも、「毎回こうして僅差でQ3を逃すのは、やっぱり悔しいです」とフラストレーションを口にした。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
オー・ルージュに向かう角田裕毅(レッドブル・レーシング)の22号車RB21、2025年7月25日(金) F1ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)
旧パッケージでも着実に前進
昨年のスパで苦戦を強いられたレッドブルは、今季最後と見られる大規模アップグレードをフェルスタッペン車に投入。新型フロントウイング、再設計されたサイドポッドとエンジンカバー、さらに空力性能を向上させる改良型サスペンションを搭載した。一方で、角田のマシンは旧仕様のままであり、車体面では明確なハンデを背負っている状況だ。
角田はこの現状を冷静に受け止めながらも、「(最新仕様が)いつ自分の手に入るかは分かりませんが、それまでは全力を尽くします」と語り、旧パッケージから確実にパフォーマンスを引き出せる手応えを掴みつつあると前向きな姿勢を示した。
「徐々に良くなってきていると思います。エンジニアリングチームとの連携もうまくいっていて、セットアップ面を含め、少なくとも今のパッケージから安定してパフォーマンスを引き出せるようになってきました」
完璧な1周が問われる超接戦
現行グランドエフェクトカー規定の最終年にあたる今季は、各車のパフォーマンスが極めて拮抗しており、0.1秒以下の差が明暗を分ける展開が常態化している。
角田は「もちろん、自分にももう少しできることがあるとは思っています。これだけタイトな状況では、すべての要素を完璧にまとめ上げる必要があります」と述べ、一切のミスが許されない現状に気を引き締めた。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
プラクティスに向けてパドック入りする角田裕毅(レッドブル)、2025年7月25日(金) F1ベルギーGP FP1(スパ・フランコルシャン)
2025年F1ベルギーGPのスプリント予選でポールポジションを獲得したのはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)。2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手のランド・ノリス(マクラーレン)を大差で退けた。
スプリントは日本時間7月26日(土)19時から、公式予選は同日23時から1時間にわたり、スパ・フランコルシャンで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。