
ラッセル、危険行為で規則違反―うっかりミスで”クラッチON”
2025年F1第11戦オーストリアGP予選で、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がピットレーンへの合流時の危険行為を問われ、スチュワードによる審議の末、競技規則違反として正式な警告処分を受けた。
問題となった出来事は予選Q3の開始直後、ピットレーンで起きた。ラッセルは他車の接近を確認しながらファストレーンへの合流を試みたが、予期せぬアクシデントが発生した。
「何台かをやり過ごしてから行こうとしたんだけど、酷い死角に入っちゃってね」とラッセルは振り返る。「どうにもならないよ。頭を動かせる範囲には限界があるから」
スチュワードによると、ラッセルはファストレーンへ進入を試みた際、結果的に他車を見通せない位置で停止せざるを得なかった。この緊迫した状況のなかで、ラッセルはチームに無線連絡を取ろうとしたところ、「誤ってクラッチを滑らせ」、意図せずクルマが前進したという。
デレク・ワーウィックら4名の競技審判団は、競技規則に抵触すると認定し、ラッセルに警告処分を科した。一方で、「状況をより適切に管理できたはず」と非を認めたチームに対しては、戒告処分とする決定を下した。
この裁定により、ラッセルはグリッド降格ペナルティを免れ、予選結果どおりの5番グリッドから決勝をスタートすることとなった。
気温と高速コーナーに苦戦「これが最大限」
前戦のカナダGPでは見事にポール・トゥ・ウィンを飾ったラッセルだが、今回のオーストリアGP予選結果については冷静に受け止めている。
「今夜お祝いはしないけど、眠れないほど落ち込んでもいない」と語り、「今日はこれが最大限の結果だったと思う」と淡々と振り返った。
今回の舞台であるレッドブル・リンクについては、「気温が高く、高速コーナーが多いから、さほど競争力は期待していなかった」とし、「路面の摩耗性も高いし、ここはタイヤ的にかなり厳しい。こういう時はマクラーレンが本領を発揮する一方で、僕らは後退してしまう」と分析した。
日曜の決勝レースでラッセルは、6番手のリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)と並ぶ3列目5番グリッドからスタートする。一方でルーキーのチームメイト、アンドレア・キミ・アントネッリは9番グリッドに着く。
2025年F1オーストリアGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)という結果となった。
決勝レースは日本時間6月29日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4318mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。