18番手でQ1敗退を喫した予選後にインタビューを受ける角田裕毅(レッドブル)、2025年6月28日(土) F1オーストリアGP(レッドブル・リンク)
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角田裕毅、マシン”豹変”でQ1敗退「まるで別物」フェルスタッペンも同様にトラブル訴え

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角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、2025年F1第11戦オーストリアGP公式予選で痛恨のQ1敗退を喫した。Q2進出まで、わずか0.091秒。コンマ1秒に満たない僅差が、明暗を分ける結果となった。

「フロントのグリップが全くなかった」―無線で訴えた角田の声には、困惑が滲んでいた。

FP2以降、角田はレッドブル・リンクでトップ10圏内を安定して走行し、マシンへの手応えを深めていた。だが予選本番、Q1最後のプッシュラップでマシンが豹変。想定外の展開を迎えることとなった。

「最初のプッシュラップは結構良い感触だったのですが、2回目のプッシュでは、どういうわけかバランスが完全に崩れてしまいました」

角田自身もその原因を掴みかねている。最終アタックの前に行われた「フラップの調整」が影響した可能性には言及したものの、ウォームアップや事前準備に問題はなかったと断言しており、この突発的なバランスの変化は依然として謎に包まれている。

「正直、バランスがまるで別物になっていたので、説明するのが難しいです」

興味深いのは、6番手でQ1突破を果たしたチームメイトのマックス・フェルスタッペンも、同じように不可解なトラブルを訴えていた点だ。Q1終了後、「これじゃ全くドライブできない」「もう何を言えばいいのか分からない」と苛立ちを露わにしていた。

10番手から18番手まで、わずか0.191秒差という大混戦の中、角田は18番手に沈んだ。Q1を通過したフェルスタッペンとの差は0.263秒―今週末で最も接近したタイム差だっただけに、なおさら悔しさは大きい。

「今日はまとめ上げるだけだと思っていただけに、予選が思い通りにいかず本当に残念です。こういう結果が続いていることに、正直うんざりしています」

「クルマには良い感触を持っていましたし、ペース自体は良かったのですが、最終的にこのような結果になってしまい、本当に悔しいです」

それでも角田は冷静さを失わない。「これからエンジニアたちと話し合うつもりです」と前向きな姿勢を見せ、責任の所在を問うよりも、原因解明と改善に意識を向けていた。

一方で、各チームの競争力が拮抗し、僅差の争いが続いている現状についても言及。「もっと一貫してパフォーマンスが発揮できるクルマにするために努力が必要」と語り、RB21が抱えるセットアップ・ウインドウの狭さを改善する必要性を強調した。

後方から臨む決勝については、「簡単なレースにはならないと思います」と厳しい戦いを覚悟しつつも、「できる限り巻き返せるよう、ベストを尽くします」と力強く前を向いた。


2025年F1オーストリアGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)という結果となった。

決勝レースは日本時間6月29日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4318mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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