2025年F1第11戦オーストリアGPのフリー走行3回目が6月28日に行われ、F1の元CEOバーニー・エクレストンが現地で見守る中、ランド・ノリス（マクラーレン）が予選を前に再びタイムシートのトップに立った。角田裕毅（レッドブル）は9番手につけた。

初日FP1を育成ドライバーのアレックス・ダンに譲り、今週末初走行となったFP2でトップに立ったノリスは、最終プラクティスでも安定した速さを見せ、ソフトタイヤで1分04秒324のベンチマークを記録した。

チームメイトのオスカー・ピアストリは残り23分、ターン9の出口でコースオフ。フロアにダメージを負い、応急処置を施して再びコースに戻ると、0.118秒差の2番手につけた。

ソフトのみを使用したマクラーレン勢に対し、マックス・フェルスタッペン（レッドブル）は、決勝を見据えてハードタイヤで20周のロングランを実施した後、残り10分でソフトに履き替え、ノリスに0.210秒差の3番手を記録した。

だが、さらなるタイム更新を狙ったアタックでは、最終コーナーで360度スピン。セッション序盤には「スロットルを戻した後の挙動がナーバスで、クルマが少し落ち着かない」「少しスナッピーだ」と無線で訴える場面があった。

角田もターン1でスピンを喫する一幕があったが、大きなトラブルなく走行を続行。前日のFP2に続いてトップ10入りを達成した。ただ、僚友フェルスタッペンとのギャップは拡大。0.605秒差の9番手でクルマを降りた。

3-9番手のレッドブル勢の間には、フェラーリのシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトン、メルセデスの2台、そしてランス・ストロール（アストンマーチン）が並んだ。

ジョージ・ラッセルは、終盤に小雨が降るなど路面温度が低下したFP1ではトップタイムを記録したものの、以降は失速。最終プラクティスではノリスに0.694秒差をつけられ、6番手にとどまった。直後の7番手には、アンドレア・キミ・アントネッリが続いた。

ウィリアムズもFP1以降の苦戦から抜け出せず、アレックス・アルボンが14番手、カルロス・サインツも15番手と振るわなかった。

C45のアップグレードを背景に、週末を通して安定したパフォーマンスを維持しているガブリエル・ボルトレート（ザウバー）は10番手を記録。全くの同一タイムを刻んだリアム・ローソン（レーシング・ブルズ）は、計測順位の関係で11番手に続いた。

全長が短く、実質的なコーナー数がわずか7つしかないレッドブル・リンクでタイム差が極端に接近するのは常であり、1000分の1秒単位での同タイムが発生することも珍しくない。この日は、ボルトレートとローソンに加え、オリバー・ベアマン（ハース）とピエール・ガスリー（アルピーヌ）も全く同じタイムを記録し、それぞれ16番手と17番手に並んだ。

アイザック・ハジャー（レーシング・ブルズ）は残り14分、最終コーナーで派手な360度スピンを喫し、無線で「えーっと、ごめん！」とひと言謝罪。彼の愛嬌がにじむ一幕ではあったが、このスピンでタイヤにフラットスポットを作ってしまい、最下位20番手に沈んだ。

全3ラウンド、計1時間が予定されるF1オーストリアGPの公式予選は、日本時間6月28日(土)23時からレッドブル・リンクにて行われる。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第11戦オーストリアGPフリー走行3（FP3）リザルト

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