ピアストリ最速も大混戦の様相、角田裕毅は下位スタート / F1エミリア・ロマーニャGP 2025《FP1》結果と詳報

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2025年F1世界選手権第7戦エミリア・ロマーニャGPが現地時間5月16日(金)に開幕し、オスカー・ピアストリが僚友ランド・ノリスをわずか0.032秒差で抑え、初日フリー走行1回目(FP1)でトップタイムを記録した。

これにより、両チャンピオンシップをリードするマクラーレンは1-2体制を築いたが、トップ5はわずか0.1秒以内、トップ18は1秒以内に収まる大混戦の様相を呈し、他チームの追い上げを感じさせるセッションとなった。

この日のイモラ・サーキットは晴天に恵まれ、路面温度は40℃を超えるコンディションとなった。ヨーロッパラウンドの開幕ということもあり、多くのチームがアップグレードを投入。今季初登場となるピレリの最軟コンパウンド「C6」を精力的に使用し、データ取りに取り組んだ。

トラフィックの影響でラップが妨げられる場面が多く、無線を通じて不満を訴えるドライバーの姿も目立った。また、前夜の雨の影響によりセッションを通して路面コンディションが大きく変化したため、チームとドライバーは迅速に、これに適応する必要があった。

残り2分、ザウバーのガブリエル・ボルトレートがターン18でクラッシュ。フロントからバリアに突っ込む形となり、セッションは赤旗のまま終了となった。ただ、ザウバーC45は好調で、ボルトレートは8番手、ニコ・ヒュルケンベルグは10番手タイムをマークした。

レッドブルは、マクラーレンのMCL39と類似するエンジンカバーなどを含むアップグレードをRB21に投入。だがマックス・フェルスタッペンはリアのグリップ不足に悩まされ、途中でセットアップ変更を強いられるなど苦戦した。最終的には7番手でセッションを終えたが、トップ6との間には0.2秒の差がついた。

角田裕毅はクリーンラップが得られず、フェルスタッペンから0.451秒遅れの16番手にとどまった。今週末に先立ち、RB21のアップグレードについて角田は、次のように語っている。

「さほど大きな違いをもたらすものではないと思います。いきなりトップを争えるクルマが手に入るとは思いません。マイアミでのマクラーレンとの差はかなり大きかったですしね。自分としては、まずはクルマを100%理解することに集中したいと思います」

「今週末はマックスとほぼ同じ仕様のクルマに乗れるチャンスなので、それを活かして、クルマの挙動を確かめたいと思っています」

FP1に向けてガレージに向かう角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月16日(金) F1エミリア・ロマーニャGPフリー走行Courtesy Of Red Bull Content Pool

FP1に向けてガレージに向かう角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月16日(金) F1エミリア・ロマーニャGPフリー走行

体調不良により木曜のメディア対応を欠席していたシャルル・ルクレールは、オープニングセッションでマシンに乗り込み12番手を記録。視認性の観点からヘルメットに問題を抱え、無線を通して報告を上げる場面もあった。

フェラーリの僚友ルイス・ハミルトンは、課題のブレーキングに苦戦し、シケインでコース外に飛び出すシーンも見られたが、トップのピアストリからわずか0.096秒差の5番手タイムを記録。期待を抱かせるセッションとなった。

前戦マイアミGP以降、チーム代表の辞任やドライバー変更など激動の日々を送ってきたアルピーヌだが、このセッションではピエール・ガスリーが6番手タイムを刻み、チームにある種の安堵感をもたらした。

一方で、ジャック・ドゥーハンに代わってアルピーヌのシートを手にしたフランコ・コラピントは、1回目のアタックでミスを犯し、最終的にガスリーから0.945秒遅れの17番手にとどまった。


FP2は日本時間5月16日(金)24時から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:16.545 23
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:16.577 +0.032 23
3 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:16.597 +0.052 19
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:16.599 +0.054 26
5 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:16.641 +0.096 22
6 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:16.696 +0.151 21
7 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:16.905 +0.360 15
8 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:16.922 +0.377 21
9 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:16.925 +0.380 23
10 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:16.998 +0.453 23
11 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:17.032 +0.487 23
12 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:17.077 +0.532 23
13 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:17.094 +0.549 23
14 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:17.121 +0.576 22
15 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:17.286 +0.741 22
16 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 1:17.356 +0.811 18
17 43 フランコ・コラピント アルピーヌ・ルノー 1:17.373 +0.828 21
18 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:17.446 +0.901 20
19 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:17.641 +1.096 19
20 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:17.662 +1.117 20

コンディション

天気晴れ
気温20℃
路面温度40℃

セッション概要

グランプリ名 F1エミリア・ロマーニャGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 イモラ・サーキット
設立 1953年
全長 4909m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

F1エミリア・ロマーニャGP特集