「理科室」のようなレッドブルRB21―角田裕毅、“VCARBスタイル”に固執せず

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今週末のF1第4戦バーレーンGPの開幕に先立ち角田裕毅は、レッドブル「RB21」を「色んな薬品が置かれた理科室」と表現し、最適なアプローチを見出すにはまだ試行錯誤が必要で、慣れ親しんだ“VCARBスタイル”に囚われず柔軟な姿勢で臨む方針だと明かした。

鈴鹿での前戦日本GPでレッドブル昇格後、初の週末を迎えた角田は、プラクティスでは僚友マックス・フェルスタッペンに肉薄する走りを見せたものの、予選ではトラフィックに見舞われQ2で敗退。決勝では2つ順位を上げるもポイント圏外12位に終わった。

それでもRB21への理解を深めたことは前向きな材料だ。角田は「少しずつですが、クルマの挙動が分かってきました。全体的にはポジティブな感触です。シートを含めて自分に合うように調整してきましたし、上手くやれると思います」と意気込みを語った。

“理科室での実験”のようなRB21への適応

F1公式サイトによると、新しいマシンへの適応に向けた取り組みについて角田は、「色んな薬品が置かれた理科室」での実験に例え、「うまくいく時もあれば、失敗する時もあります。完全に新しいクルマをドライブするわけなので、そういうものだと思います」と語った。

さらに、「多くを学びましたが、赤旗が多かったこともあり、実質的にはまだ4回のセッションを終えただけです。結論を出すには早すぎますし、もっと周回を重ねる必要があります。セットアップに関しても、レーシング・ブルズの時とは少し違うアプローチを採る必要があるかもしれません」と述べた。

一方で、クルマではなく週末へのアプローチについては、これまでのやり方を踏襲すると説明した。

「正解はまだ分からない」柔軟な姿勢でアプローチを模索

角田は、これまでレーシング・ブルズで培ってきたドライビングスタイルやセットアップに固執するのではなく、レッドブルRB21に適した新たな方法を模索する姿勢を見せている。

「VCARBの時に慣れていたバランスを、このクルマで再現することは可能だと思いますが、それが速さに直結するとは限りません。今はまだ正解が分からないので、もっと掘り下げていかなければなりません」と角田は語った。

なお、今週末に控えるバーレーンGPに向けては、レッドブル昇格の初戦となった鈴鹿での日本GP以上に、はっきりとした目標を掲げている。「Q3進出とポイント獲得が目標です」と角田は明言した。

「表彰台と言いたい気持ちはありますが、このクルマを高いパフォーマンス・レベルで扱うのは簡単ではないので、今はまだクルマについて学ばなければなりません」

さらに、「Q3に進出し、ポイントを獲得するか、あるいはマックスに近づいてレースで彼を助けることができればと思っています」と語り、チームへの貢献も視野に入れていることを明かした。

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