
F1開幕戦の勝敗を分けた”要因”:マクラーレンとの差を痛感するマルコ、レッドブルが敗れ去った理由
2025年FIA-F1世界選手権の開幕戦オーストラリアGPで、マクラーレンに大差をつけられたレッドブル・レーシング。レース後、同チームのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、マクラーレンの「タイヤマネジメント能力」がレッドブルに対する明確な優位性であると分析した。
序盤から大差、決定打なく2位
変わりやすい天候の中で行われたレースでは、計6名のドライバーがスピンによってリタイアする波乱の展開となった。マクラーレンは序盤から1-2体制を築き、第1スティントだけで3番手マックス・フェルスタッペンに対し18.386秒もの大差をつけた。
その後、土砂降りの影響で2番手を走行していたオスカー・ピアストリがコース外へ飛び出し、順位を落とすアクシデントが発生。さらに終盤にはセーフティカーが導入され、フェルスタッペンにとって逆転のチャンスが訪れたかに思われたが、結局、ランド・ノリスを追い抜くには至らず、マクラーレンの勝利でレースは幕を閉じた。
レッドブルの課題は「タイヤ管理」
マルコはレース後、独Sky Sportsに対し、「我々にとってセーフティカーは好都合だった。レースが進むにつれて、タイヤの消耗が大きな課題になっていたからだ」と語った。
「本当に勝機を得るには、もっと激しい雨が必要だったが、結果には満足している。本当に接戦だったし、総合的に見れば素晴らしいレースだった」と振り返った。
マクラーレンは昨シーズンから優れたタイヤマネジメント能力を発揮しており、マルコはそれが今季のマシンにも継承されていると分析する。
「マクラーレンは単純にタイヤの持ちが良い。ロングランではそれが顕著だったし、バーレーンでも同じことが見られた。我々はこの部分でまだ改善が必要だ」と指摘した。
フェルスタッペンは、例えあと数周あったとしても、ノリスを追い抜くには至らなかっただろうと振り返った。
フェルスタッペン:課題山積み
Courtesy Of Red Bull Content Pool
パルクフェルメに立つ2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年3月16日(日) F1オーストラリアGP決勝(アルバート・パーク・サーキット)
マクラーレンの強みがタイヤ管理にあると指摘したのはマルコだけではない。
フェルスタッペンは「第1スティントでかなりの遅れを取った。タイヤがオーバーヒートし始めると、もうどうにもならなかった。一方で、マクラーレンはそこから一気にペースを上げた。優勝を争うためにはやるべきことが山積みだ」と分析した。
さらに、「これは僕らだけじゃなく、多くのチームが苦しんでいる問題だ。でもマクラーレンはそれをうまくマネジメントしている。僕らの要改善点はそこだ」と付け加えた。
レッドブルは前日の予選でもタイヤのオーバーヒートに苦戦していた。
次戦以降、続く高負荷コース
次戦中国GPが行われる上海インターナショナル・サーキット、さらには鈴鹿サーキットと、今後のレースはタイヤへの負荷が高いコースが続く。レッドブルにはタイヤマネジメントの早期改善が求められる。
2025年F1第1戦オーストラリアGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを果たして通算5勝目を獲得。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が3位という結果となった。
上海インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦中国GPは、3月21日のフリー走行1で幕を開ける。フリー走行が一回のみのスプリント・フォーマットが採用される。