12位フィニッシュを経てインタビューに応じる角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2025年3月16日F1オーストラリアGP決勝レース(アルバート・パーク・サーキット)
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角田裕毅「できる限りのことはやった」戦略裏目のレーシングブルズ―上位期待もまさかの12位

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2025年FIA-F1世界選手権の開幕戦オーストラリアGPで、一時は2番手を走行しながらも、最終的に12位でフィニッシュした角田裕毅(レーシング・ブルズ)はレース後、「できる限りのことはやりました」と振り返り、悔しさを滲ませた。

終盤の判断が明暗を分ける

レース序盤から角田はトップ6争いに絡み、安定した走りを見せていた。しかし、終盤に天候が悪化し、土砂降りがサーキットを覆った。ここでレーシング・ブルズは、角田にステイアウトを指示した。チームは、雨脚が間もなく収まると判断していた。

この決断は、一時的に角田を2番手へと押し上げたが、当時の路面状況はスリックタイヤで走行できるものではなく、グリップ不足により順位を落とし、最終的にはセーフティーカー(SC)導入後にインターミディエイトタイヤに交換した。

アルバート・パーク・サーキットを走行する角田裕毅(レーシング・ブルズ)のVCARB 02、2025年3月16日(日) F1オーストラリアGP決勝Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルバート・パーク・サーキットを走行する角田裕毅(レーシング・ブルズ)のVCARB 02、2025年3月16日(日) F1オーストラリアGP決勝

ポイントを獲得するに値したレース

レース後のインタビューで角田は、「自分の走りやクルマの感触を考えれば、ポイントを獲得するに値するレースだったと思います」と語った。また、「自分としてはできる限りのことをしましたが、タイミングやその他の面で運がありませんでした」と嘆いた。

特に、SC導入後のピットストップを経てコースに復帰した際、一気に11番手にまで後退してしまい、ポイント獲得の可能性が大きく削がれた。

「タイミングやその他諸々が、僕らに味方してくれませんでした。 ポイントを獲得できなかったことは本当に、本当に残念です」と角田は振り返った。

スリックで走るウェットの難しさ

晴れ用のスリックタイヤで挑んだ終盤のウェットコンディションについては、「本当に大変でした」としながらも、「でも、ドライとウェットが混在したモナコの時に比べれば、まだマシでした」と語った。

「少なくとも、ここにはランオフエリアやグラベルがありますしね。とはいえ、楽ではありませんでした。腕がパンパンになってしまいました!」と、過酷なレースを振り返った。

今後の課題と展望

結果こそ悔しいものとなったが、インタビューに応じる角田に悲観的な様子はなく、非常に落ち着いた表情を見せ、ポジティブな側面も強調した。

「予選では良いペースを見せることができましたし、今後もこういったパフォーマンスを維持して、ライバルたちを上回る結果を残していきたいと思います」と前向きな姿勢を示した。

レーシング・ブルズは次戦に向けて、今回の教訓をどのように活かしていくのだろうか。


2025年F1第1戦オーストラリアGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを果たして通算5勝目を獲得。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が3位という結果となった。

上海インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦中国GPは、3月21日のフリー走行1で幕を開ける。フリー走行が一回のみのスプリント・フォーマットが採用される。

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