好調一転…角田裕毅の不振の原因を指摘するヘルムート・マルコ、F1中国GPで急失速
ダニエル・リカルドがシーズン5戦目にしてようやく本領発揮の兆しを見せた一方、開幕4戦で予選・決勝共にRBのチームメイトを凌駕してきた角田裕毅は上海インターナショナル・サーキットで突如、失速に見舞われた。
8度のグランプリウィナーはF1中国GPで行われた予選までのすべてのセッションで角田裕毅を上回る成績を残した。フリー走行ではコンマ7秒、スプリント予選ではコンマ5秒、そして予選でも依然としてコンマ3秒差をつけた。
週末に先立って角田裕毅は「間違いなく自信がある」として、予選Q3およびポイント争いに照準を合わせていたが、初日を終えては「これほど苦戦したのは初めて」と嘆き、予選を終えては、試行錯誤のすべてが暖簾に腕押しで、八方塞がりだと困惑した様子を見せた。
予選での自身のラップについて角田裕毅は「かなり満足いくものだった」としたが、ラップタイムはその感触に全く見合わないもので、スプリント予選と同じく最後列19番グリッドに沈む事となった。
予選ではDRSにも問題を抱えたが、2回目のフライングラップでは機能しており、タイムへの影響こそあれ、ドライビングやマシンバランスに大きな影響を与えるものではないとして、これを言い訳にはしなかった。
この状況は開幕4戦までのリカルドのそれとよく似ている。リカルドも角田裕毅と同じように、自身のフィーリングとラップタイムが一致しない事に頭を悩ませ続け、今週末、念願の新シャシーを手に入れたばかりだった。
角田裕毅もクルマに何らかの問題を抱えているのだろうか? レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはそうは考えていない。
角田裕毅が予選を含めた週末全体を通して苦戦し続け、今シーズン初めてリカルドに敗れた理由について問われたマルコは「彼がこのサーキットを走るのはこれが初めてだ」と答え、経験不足が一つの要因との考えを示して擁護した。
また、唯一のプラクティスであるFP1をハードタイヤでの走行に費やした事も、スプリント予選やスプリント、本予選という後のセッションに向けて役立たなかったとの見方を示した。いずれのセッションでも角田裕毅はハードタイヤを使っていない。
マルコは「全体的に彼は非常に不安定なクルマについて不満を漏らしており、主にそれが原因だと考えている」と付け加え、チーム側のサポートが必要だと訴えた。