エンジン過熱で一時はバッテリーが1%、メルセデスの「誤った決定」と影響を説明するラッセル
ジョージ・ラッセル(メルセデス)はF1バーレーンGPのレース序盤にシャルル・ルクレール(フェラーリ)を交わして2番手に浮上したが、オーバーヒートに見舞われ順位を落とし、ランド・ノリス(マクラーレン)を抑えて5位フィニッシュするのが精一杯だった。
同じメルセデスW15をドライブするルイス・ハミルトンも同様の問題に見舞われ、一時はバッテリー残量が1%しかないと報告を上げていた。
レースを終えたラッセルは、クルマに必要な冷却レベルを見誤った事が原因だとして、「何も心配することはない」と主張した。
「僕らは二人ともが同じようなトラブルに直面した。どんな理由であれエンジンがオーバーヒートしてしまい、バッテリーが正常に作動しなかったんだ」とラッセルは語る。
「スタートがすごく上手くいって2番手につけ、よし行くぞ!と思ったら、ステアリングに大きく赤色の警告が表示されたんだ。バッテリーが残っておらずパワーを下げた結果、コンマ4秒もロスしてしまった」
「後続の連中を抑えるのが本当に厳しい状況だったから、序盤の10周くらいに渡って何とか凌げて驚いたよ。その後は後退していったけどね」
「クルマの本当のポテンシャルを発揮できなかったのは残念だ。ちょっと奇妙な1日だった」
オーバーヒートの問題は単にパワーの低下を引き起こすだけではない。余計なリフト&コーストを強いられる事でタイヤの温度も適正なウインドウから外れてしまうため、ラップタイムの低下は二重に大きくなる。
次戦サウジアラビアGPは更に気温が上がる事が予想されるが、ラッセルはもっと保守的な冷却パッケージを選択すれば何も問題はないと考えている。
「どのチームも5つか6つの冷却スペックがあるんだ。今回は一番アグレッシブな選択肢を選んだんだけど、明らかにやり過ぎだった。誤った決定だった。バーレーンのコンディションに合わないクルマにしてしまったんだ」とラッセルは語る。
「フェラーリは伝統的にバーレーンで高い競争力を発揮してきた。一方で僕らにとっては少し苦手なサーキットだ。でも冷却の問題がなければ3位を懸けて戦えたはずだ」
3月2日(日)の2024年F1第1戦バーレーンGP決勝レースではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にチームメイトのセルジオ・ペレス、3位にカルロス・サインツ(フェラーリ)が続く結果となった。
ジェッダ市街地コースを舞台とする次戦サウジアラビアGPは3月7日のフリー走行1で幕を開ける。