角田裕毅、ホンダ離脱後の本命はレッドブルF1残留か…一方で他チームにも「自分の価値を示したい」
支援者のホンダが2025年末を以てレッドブルを離れた後も角田裕毅(アルファタウリ)はレッドブル・ファミリーに留まりたいと考えているようだが、一方で他チームに「自分の価値を示したい」とも述べ、離脱も視野に入れている事を認めた。
角田裕毅はホンダとレッドブルのサポートを受け2021年にF1デビューを果たしたが、日本のエンジンメーカーは次世代パワーユニットが導入される2026年以降、アストンマーチンと提携する。
F1での3シーズン目を迎えた角田裕毅は特に一貫性とレースクラフトの点において各方面から高く評価されているが、現行契約は今季末限りで満了を迎え、2024年以降の計画は発表されていない。
蘭「RacingNews365」によると角田裕毅は、2026年以降の計画について「レッドブルに留まれればいいですね」と語った。
「でも正直に言って、こういう事は彼らが決めることであって僕には分かりません。僕としては自分がやるべき事に集中して結果を出すだけで、こういった事はその後、自ずとついてくるものだと思います」
「僕はそういった事を考えようとはしませんし、もしかしたらレッドブルにステップアップできるかもしません」
「でもこの手の事は知り得ようがないので考えるだけ無駄です。僕は自分のやっていることに集中して、結果を出し続けるだけです」
アルファタウリのドライバーであれば誰もが目指すのがシニアチームへの昇格だ。
過去3年に渡ってマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めてきたセルジオ・ペレスは2024年末までの契約を結んでいるが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコの気紛れな発言もあって早期離脱の噂は絶えず、また本人も契約を更新せずに別の選択肢を評価する可能性について言及している。
とは言え、アルファタウリのシートを狙って角田裕毅の後ろにはジュニアドライバーが列のなしており、昇格はおろか、居場所が失われる可能性も十分にある。
特に、オランダGPでのクラッシュにより骨折し、離脱を余儀なくされたダニエル・リカルドの代役として現在ステアリングを握るリアム・ローソンは脅威的と言ってよいだろう。
21歳のニュージーランド人ドライバーはF1デビュー戦となった波乱のオランダGPを無事に完走し、先週末のイタリアGPでは11位フィニッシュと堅実な結果を残した。続くシンガポールと日本でも代役を務める可能性が濃厚だ。
角田裕毅は「レッドブルだけでなく他のチームに対しても、ドライバーとしての自分の価値を示すことにもっと集中したいと思っています。これが最も重要なことで、僕の目標です」と述べ、昨年までのチームメイトで、アルファタウリでの活躍が認められ今年、アルピーヌに移籍したピエール・ガスリーに触れた。
「この2年間、僕はドライバーとしての自分の価値、自分がどれだけ優れているかを十分に向上させることができませんでした。状況が変化する中、誰もが彼(ガスリー)に注目し始めました。僕は自分のパフォーマンスを発揮できていなかったように思います」
アルファタウリの2023年型「AT04」はグリッド上で最も競争力が低いクルマの一つだ。隣のガレージではこれまでにニック・デ・フリース、リカルド、ローソンの3名がドライブしているが、アルファタウリが今年稼いだポイントの全ては角田裕毅の手によるもので、パドックでは角田裕毅が遂に真価を発揮し始めたとの見方が多い。
「このクルマは良いパフォーマンスを発揮するのが難しいですが、彼らが僕に注目してくれているのは良い事だと思っています」と角田裕毅は語った。
レッドブルでの将来がどうなるによせ、角田裕毅が2026年のアストンマーチン・ホンダを意識している事は確かだ。
HRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長は今年5月、「最終決定を下すのはチーム」だとしつつも、ホンダ育成ドライバーの角田裕毅がアストンマーチンの2026年F1シート候補に入る事を望んでいると認めた。
角田裕毅が3シーズン目を迎えられたのは、チーム代表のフランツ・トストの存在が大きい。将来のキャリアはさておき、角田裕毅は今季末限りで退任するトストの恩に報いたいと考えている。
「彼は僕に3年のチャンスを与えてくれました。僕にとっては大きなことです」と角田裕毅は語る。
「だから彼のために良いパフォーマンスを発揮したかったんです。彼にとっては今年がアルファタウリでの最後の年ですし、彼がいなければ僕がここにいなかった事は明らかです」
「だから、彼に対する感謝の気持ちとして、上手くやりたいんです。アブダビでのレースが終わった後、彼が満面の笑みを浮かべてくれる事を願っています!」