ピレリ製18インチF1タイヤ「P Zero」ハードとミディアム、2023年3月24日F1プレシーズンテスト
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1カナダとオーストリア、新仕様導入のイギリス供給タイヤ…シルバーストンでも「C0」投入せず

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F1公式タイヤサプライヤーのピレリは次戦カナダGPと第10戦オーストリアGPで最も柔らかいレンジのコンパウンド(C3~C5)を、第11戦イギリスGPでは2番目に硬いレンジのコンパウンド(C1~C3)を供給する。

シルバーストン・サーキットは1950年の第1回大会以来、ほとんどレイアウトが変更されていないレアコースだ。高速コーナーが多く、タイヤに対する横方向の負荷は甚大で、この週末を機にピレリは新スペックタイヤに切り替える。

シルバーストン・サーキットのターン15からターン16方向、2022年6月30日F1イギリスGPCourtesy Of Alfa Romeo Racing

シルバーストン・サーキットのターン15からターン16方向、2022年6月30日F1イギリスGP

これはスペインGPの金曜フリー走行で各チームがテストしたもので、2024年の導入が予定されている新しい素材の採用により耐久性の向上が図られている。

シルバーストンはカレンダーの中でタイヤに対する負荷が最も大きいサーキットの一つだが、それでもピレリはC1~C3という2番目に硬いコンパウンドをチョイスした。2023年シーズンは折り返しへと近づいているが、最も硬い「C0」は未だ登場していない。

2023年F1タイヤ供給
Rd. グランプリ C0 C1 C2 C3 C4 C5
1 バーレーンGP H M S
2 サウジアラビアGP H M S
3 オーストラリアGP H M S
4 アゼルバイジャンGP H M S
5 マイアミGP H M S
6 エミリア・ロマーニャGP H M S
7 モナコGP H M S
8 スペインGP H M S
9 カナダGP H M S
10 オーストリアGP H M S
11 イギリスGP H M S

今季は新たに「C0」が加わり、製造されるコンパウンドが全6種類に増えた。接頭辞の「C」に続く数字が小さいほど硬いコンパウンドとなる。昨年まで「C1」と呼ばれていたコンパウンドは「C0」へと改称された。今季の「C1」は従来の「C1」より柔らかい新型コンパウンドだ。

2023年のカナダ、オーストリア、イギリスに供給されるのは昨年と同じ3種類だが、前述の理由によりイギリスに関しては、一番硬いコンパウンドが昨年よりも柔らかい。

コース路面や気温などの特性・気象条件を考慮の上、ピレリは6種類のラインナップから週末に持ち込む3種類のドライタイヤを都度、決定する。硬い方から順に「ソフト」「ミディアム」「ハード」の名称が与えられる。

トレッド面に溝の入ったレインタイヤを含めて全5種類が持ち込まれる。ひと目見て識別できるよう、以下の様にサイドウォールに色ペイントが施される。

  • ソフト:赤色
  • ミディアム:黄色
  • ハード:白色
  • インターミディエイト:緑色
  • フルウェット:青色

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