ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルによれば、予選Q2敗退の危機から一転、今季最高のダブル表彰台を獲得するに至ったF1スペインGPでのメルセデスの形勢逆転劇の背景にはミック・シューマッハの功績があった。

ゼロポッドを捨て去った新しいアップグレード・パッケージの真価が問われるカタロニア・サーキットでメルセデスは、失望とフラストレーションと共に初日を終える事となった。

7度のF1ワールドチャンピオンはトップから0.642秒遅れの11番手に留まった。アルピーヌ勢に加えてニコ・ヒュルケンベルグ（ハース）や元チームメイトのバルテリ・ボッタス（アルファロメオ）にすら先行を許した。

初日を終えたハミルトンの口から予選Q2敗退への懸念が飛び出したのは決して驚きではなかった。

だが、2日目を迎えるとハミルトンは前日の予想を大きく覆す予選5番手をマーク。決勝ではマックス・フェルスタッペン（レッドブル）に次ぐ2位となり、僚友ジョージ・ラッセルが3位でフィニッシュした。

英「Autosport」によるとハミルトンはレース後、適切なセットアップを見つけるべく初日の深夜に英国ブラックリーのファクトリーでシミュレーター作業に取り組み、2日目以降の形勢逆転に貢献したシューマッハの努力を称えた。

ハミルトンは「金曜はバランスをとるのに本当に苦労した。ウインドウから外れていたんだ。クルマはかなり予測しにくく、ドライブするのは本当に大変だったけど、僕らは夜通しで素晴らしい仕事をした」と振り返った。

「ミックが金曜の夜にシミュレーターに戻って取り組んで素晴らしい仕事をしてくれた事で、僕らは土曜に正しい方向に進むことができた」

ラッセルもまた「ミックとシミュレーターチームは真夜中まで作業に取り組んでいた。その本当に、本当に素晴らしい仕事が、セットアップと今日のレースでクルマを適切なウインドウに入れるという点で僕らを助けてくれたんだ」と語った。

昨年末でハースのレースシートを失い、今年メルセデスでリザーブ兼テストドライバーを務める24歳のドイツ人ドライバーは6月7日にバルセロナで行われるピレリのタイヤテストに参加し、メルセデスW14を初めてドライブする事になっている。

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