メルセデス「僚友同士の衝突は絶対にあってはならない」F1スペイン予選でのハミルトンとラッセルの一件を受け
ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルによる衝突事故が発生した6月3日のF1スペインGP予選を経てメルセデスのトト・ウォルフ代表は、チームメイト同士での接触は「絶対にあってはならない」として、再発防止に取り組む考えを明らかにした。
2人のイギリス人ドライバーは予選Q2終盤のメインストレートを高速走行中、サイドバイサイドで接触した。互いに相手が計測ラップに取り組んでいる事を全く知らされていない様子だった。
カルロス・サインツ(フェラーリ)のスリップストリームを得て、先行してラップを開始したラッセルに対し、後方から加速してきたハミルトンが接近。ラッセルの左フロントと接触し、右フロントの翼端板が飛び散った。
ラッセルはQ3進出を逃して12番手に終わり、最終ラウンドに駒を進めたハミルトンは壊れたフロントウイングを交換。最終的に5番手タイムをマークした。
一件は審議の対象となり、スチュワードは予選後に2人を召喚。ミラーでの後方確認を怠ったラッセルと、ハミルトンの接近を警告しなかったチームに対して「正式な警告」を与えるに留めた。
一件についてメルセデスの指揮官は「あってはならないことだ。チームメイト同士の衝突は絶対にあってはならないし、予選においては他のクルマとだってぶつかるべきじゃない」と強調した。
原因については「単なるミス・コミュニケーション」であるとして「これはチームの取り組みに関することであり、我々のコミュニケーションに関連するものだ。将来的に同じ事を繰り返さぬよう、検証しなければならない」と付け加えた。
ハミルトンは事件直後、チーム無線を通してラッセルの動きを「本当に危険」と非難したが、後に「誤解」であったことを認めた。
「ジョージとの一件は、単なる誤解によるものだった。確かに接触があって僕は芝生にホイールを落としてしまったけど、その後、クルマには特に変わった感じもなかったし大丈夫だと思う」とハミルトンは振り返った。
一方のラッセルはチーム全体の意思疎通に問題があったと指摘し、事件発生直後は「何が起きたのか分からず、全てが驚きだった」と説明した。
「前方のサインツからスリップストリームをもらってプッシュラップを開始したんだけど、気がついたらルイスが僕の横に並んでいたんだ」
「あれ以上、深刻な事態に至らなかったのは幸いだ。チーム全体の酷いミス・コミュニケーションが原因だ」
2023年F1スペインGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)、3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間6月4日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,657mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様は期間限定キャンペーン中のDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。