2023年F1規定違反第1号はピエール・ガスリー、移籍後初の予選で泣きっ面に蜂…最下位に終わった理由とは
ピエール・ガスリーはアルピーヌへの移籍後最初の予選で最下位に終わっただけでなく、2023年シーズンのペナルティ第一号という不名誉な記録を残した。これまでのところ新天地での初戦は”夢のような”とは程遠い状況だ。
予選中の速度違反で罰金
デレック・ワーウィックら4名から成るF1バーレーンGPのスチュワードは3月4日(土)の予選を終えて、ガスリーがピットレーン速度違反を犯したとの裁定を下した。
バーレーン・インターナショナル・サーキットのピットレーンは時速80kmに制限されているが、ガスリーは予選Q1でこれを0.6km/h超過した。
F1競技レギュレーション第34条7項に違反した事で、所属先のアルピーヌに100ユーロ(約14,465円)の罰金が科された。幸先の悪いことに、これは今シーズン初めて下されたペナルティだった。
ただ、深刻なのは予選結果の方だ。新天地での最初のグリッド争いでガスリーは、古巣アルファタウリよりも下の20番手最下位に終わった。
好調から一転、突如襲ったオーバーステア
20番手に沈んだのは自己ベストラップがトラックリミットにより抹消されたためだが、仮に取り消されていなくとも17番手と、結局のところQ1敗退に変わりはなかった。
スポーティング・ディレクターのアラン・パーメインは「ピエールのQ1敗退は明らかに残念な結果だ。クルマには間違いなく遥かに良いペースがあったはずだ。何が起きたのかを理解するために様々な検討が必要だ」と振り返った。
タイトな争いであった事は確かだ。Q1トップのカルロス・サインツ(フェラーリ)とガスリーとの差は僅か1.188秒に過ぎなかった。
それでもチームメイトのエステバン・オコンはQ3に駒を進めて9番グリッドを獲得した。
The Raceによるとガスリーは「週末を通してアンダーステアに手を焼いていた」もののプラクティスまでは「かなり好調」だった。だが予選ではどういうわけか突如、オーバーステアに見舞われたと言う。
ガスリーは「今週末に築き上げてきたあらゆるリファレンスや期待値が、マシンバランスという点で全く違っていた」と説明した。
「予選では全てが(悪い意味で)ハマってしまった。どうしてなのかは分からない。このコンディションでは余りにも極端すぎて、あらゆるコーナーの出口でちょっとしたオーバーが出てしまった」
「これは明らかに一過性の問題だ。今はまだ完全な答えが見つかっていない」
「だから、何が起きていたのかを理解するために調べてみるつもりだ。理想的なスタートではなかったのは確かだけど、これまでに見せてきた以上のペースがあるはずだし、今日それを引き出せなかった理由を理解して明日に集中したい」