フェルスタッペン、鈴鹿初ポール!角田裕毅はトラブルに屈せず健闘 / F1日本GP《予選》結果とダイジェスト
2022年シーズンのFIA-F1世界選手権第18戦日本GPの公式予選が10月8日にホンダのお膝元、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がタイトル連覇に向けてポールポジションを獲得した。
フェルスタッペンは第1・3セクターで全体ベストを刻み、予選Q3の1回目の計測ラップで暫定ポールに立った。最終アタックはターン2の出口で激しく縁石に乗り上げパーツが脱落。1000分の28秒、自己ベストに届かなかったが、それでもフェラーリを退けた。
なおQ3の前半、130R(ターン15)を抜けた先でスロー走行していたフェルスタッペンと後方から急接近したランド・ノリス(マクラーレン)がニアミスするインシデントが発生し、予選後に審議が行われた結果、フェルスタッペンに戒告処分が下った。
タイトル争いの主役の1人であるシャルル・ルクレール(フェラーリ)はセクター2で全体ベストを刻む渾身の走りを見せるも、フェルスタッペンに1000分の10秒及ばず2番手に甘んじた。3番手にはカルロス・サインツ(フェラーリ)、4番手にはセルジオ・ペレス(レッドブル)が続く結果となった。
愛して止まない鈴鹿でのF1ラストランを迎えたセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は、僚友ランス・ストロールが19番手でQ1敗退を喫した一方、見事Q3にまでクルマを押し上げた。
Q3の計測を1アタックに絞ったベッテルは、ライバル勢の1回目の計測が終わった後にラップを開始し、ノリスを0.449秒差で退け9番手を獲得。インラップでは無線を通して日本語で「ありがとうございます。スズカ」と語りかけ、大好きな鈴鹿サーキットに感謝の気持ちを伝えた。
トップ10の残り4枠はアルピーヌとメルセデスが占めた。
ベスト・オブ・レストの5番手を刻んだのはエステバン・オコン。アルピーヌのチームメイト、フェルナンド・アロンソは7番手をマークした。メルセデス勢はルイス・ハミルトンが6番手、ジョージ・ラッセルが8番手でヘルメットを脱いだ。
アルファタウリAT03はブレーキに問題を抱えた。アルピーヌ移籍が発表されたばかりのピエール・ガスリーは17番手でノックアウトを喫したが、母国凱旋レースに臨む角田裕毅は13番手と健闘した。
予選Q1:ガスリー敗退
直前のFP3に引き続き、上空に雲が広がりながらも現地鈴鹿は時折日差しに恵まれ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温19.8℃、路面26.7℃、湿度58%、気圧1014.5hPaのドライコンディションでスタートした。
公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC1、ミディアム(黄色)にC2、ソフト(赤色)にC3コンパウンドを持ち込んだ。鈴鹿はカレンダーの中でタイヤへの負荷が最も大きいサーキットの一つとして知られる。
時間の経過と共に路面の急激な進化が見込まれた事から、セッション開始と同時にコースインするクルマは多くなかった。
角田裕毅は1発目の計測ラップで僚友ガスリーをコンマ4秒上回るファステストをマーク。観客の歓声を浴びると、3セットの新品を投じて12番手でQ2に駒を進めた。
一方でガスリーは「ブレーキが効かない!」と不満を爆発させ、アルピーヌ移籍発表直後の予選で17番手とQ1敗退を喫した。
アレックス・アルボン(ウィリアムズ)はスプーンの出口でトラック・リミットを越えたために1回目の計測タイムが抹消となり、最終的16番手で姿を消した。
メルセデス勢だけはミディアムタイヤを履いてコースイン。その後、ソフトタイヤに履き替えてノックアウト・ゾーンから抜け出した。
鈴鹿ラストランのベッテルは19番手と敗退の危機に晒されるも、最終アタックで15番手に浮上。Q2進出を決めた。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:30.224 | 3 | |
2 | サインツ | フェラーリ | 1:30.336 | + 0.112 | 3 |
3 | ルクレール | フェラーリ | 1:30.402 | + 0.178 | 3 |
4 | アロンソ | アルピーヌ | 1:30.603 | + 0.379 | 3 |
5 | ペレス | レッドブル | 1:30.622 | + 0.398 | 3 |
6 | オコン | アルピーヌ | 1:30.696 | + 0.472 | 6 |
7 | ラッセル | メルセデス | 1:30.865 | + 0.641 | 7 |
8 | リカルド | マクラーレン | 1:30.880 | + 0.656 | 5 |
9 | ノリス | マクラーレン | 1:30.881 | + 0.657 | 7 |
10 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:30.894 | + 0.670 | 6 |
11 | ハミルトン | メルセデス | 1:30.906 | + 0.682 | 8 |
12 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:31.130 | + 0.906 | 9 |
13 | シューマッハ | ハース | 1:31.152 | + 0.928 | 6 |
14 | ボッタス | アルファロメオ | 1:31.226 | + 1.002 | 6 |
15 | ベッテル | アストンマーチン | 1:31.256 | + 1.032 | 6 |
16 | アルボン | ウィリアムズ | 1:31.311 | + 1.087 | 6 |
17 | ガスリー | アルファタウリ | 1:31.322 | + 1.098 | 9 |
18 | マグヌッセン | ハース | 1:31.352 | + 1.128 | 6 |
19 | ストロール | アストンマーチン | 1:31.419 | + 1.195 | 6 |
20 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:31.511 | + 1.287 | 8 |
予選Q2:角田裕毅、僅かに及ばず
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、レッドブル勢とフェラーリ勢、角田裕毅の5台が1セット目に中古のソフトを履いた。
角田裕毅は依然としてブレーキに問題があると報告。ノックアウト・ゾーンの15番手に沈んだ状況の中で最終アタックに挑み13番手と、0.152秒届かず敗退を喫した。
1回目の計測でトップ3に立ったフェルスタッペン、サインツ、ルクレールの3名は2セット目の投入を行わず、ガレージ内でライバルの走りを見守った。
ペレスは新品ソフトを開封して全セクターベストのトップ通過を果たした。Q3最後の枠に滑り込んだのは鈴鹿4勝を誇るベッテルだった。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ペレス | レッドブル | 1:29.925 | 9 | |
2 | アロンソ | アルピーヌ | 1:30.343 | + 0.418 | 9 |
3 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:30.346 | + 0.421 | 6 |
4 | オコン | アルピーヌ | 1:30.357 | + 0.432 | 12 |
5 | ハミルトン | メルセデス | 1:30.443 | + 0.518 | 14 |
6 | サインツ | フェラーリ | 1:30.444 | + 0.519 | 6 |
7 | ラッセル | メルセデス | 1:30.465 | + 0.540 | 13 |
8 | ノリス | マクラーレン | 1:30.473 | + 0.548 | 13 |
9 | ルクレール | フェラーリ | 1:30.486 | + 0.561 | 6 |
10 | ベッテル | アストンマーチン | 1:30.656 | + 0.731 | 12 |
11 | リカルド | マクラーレン | 1:30.659 | + 0.734 | 11 |
12 | ボッタス | アルファロメオ | 1:30.709 | + 0.784 | 12 |
13 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:30.808 | + 0.883 | 15 |
14 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:30.953 | + 1.028 | 12 |
15 | シューマッハ | ハース | 1:31.439 | + 1.514 | 12 |
2022年F1日本グランプリ決勝レースは日本時間10月9日(日)14時にフォーメーションラップが開始され、1周5807mの鈴鹿サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。
2022年F1第18戦日本GP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:30.224 | 1:30.346 | 1:29.304 | 13 |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:30.402 | 1:30.486 | 1:29.314 | 13 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:30.336 | 1:30.444 | 1:29.361 | 13 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:30.622 | 1:29.925 | 1:29.709 | 15 |
5 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:30.696 | 1:30.357 | 1:30.165 | 18 |
6 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:30.906 | 1:30.443 | 1:30.261 | 20 |
7 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:30.603 | 1:30.343 | 1:30.322 | 15 |
8 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:30.865 | 1:30.465 | 1:30.389 | 19 |
9 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:31.256 | 1:30.656 | 1:30.554 | 15 |
10 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:30.881 | 1:30.473 | 1:31.003 | 18 |
11 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:30.880 | 1:30.659 | 11 | |
12 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:31.226 | 1:30.709 | 12 | |
13 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:31.130 | 1:30.808 | 15 | |
14 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:30.894 | 1:30.953 | 12 | |
15 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:31.152 | 1:31.439 | 12 | |
16 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:31.311 | 6 | ||
17 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:31.322 | 9 | ||
18 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:31.352 | 6 | ||
19 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:31.419 | 6 | ||
20 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:31.511 | 8 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 19.8℃ |
路面温度 | 26.7℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1日本GP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | 鈴鹿サーキット |
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設立 | 1962年 |
全長 | 5807m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |