ピアストリは「不誠実」とのアルピーヌに激しく噛み付くマクラーレン、サウナウアー対ブラウンの第2ラウンド勃発か
ザク・ブラウンとオトマー・サフナウアーは、はやり、犬猿の仲なのかもしれない。オスカー・ピアストリは「不誠実」だと批判するアルピーヌのチーム代表にマクラーレンのCEOが噛み付いた。
若手筆頭評価を受ける21歳のオーストラリア人ドライバーは8月初め、自身が2023年にフェルナンド・アロンソの後任となると発表したアルピーヌのプレスリリースを否定。マクラーレンへの移籍が強く取り沙汰されている。
アルピーヌとピアストリとの関係は、旧ルノー・スポール・アカデミー契約を結んだ2年半前の2020年にまで遡る。以降アルピーヌは多額の資金を投じてそのキャリアをサポートし続けてきた。
それだけに裏切られたと感じるのも無理はなく、サウナウアーは「私は1989年にF1でのキャリアをスタートさせたが、こんな事態はお目にかかった事がない。これはF1というよりも、人としての誠実さという話だ」と述べ、忠義を欠いたとしてピアストリを批判した。
これに対してマクラーレンのブラウンCEOはF1ベルギーGPの舞台、スパ・フランコルシャンでSky Sportsのインタビューを受け、ピアストリは「不誠実」とのサフナウアーに噛み付いた。
サフナウアーと同じくアメリカ国籍を持つブラウンCEOは、かつてサウナウアーが代表を務めていた2020年当時のレーシング・ポイントがメルセデスのマシンをコピーしたとの疑惑を受け科された罰金とペナルティを引き合いに出し、次のように反論した。
「最近の出来事や、フェルナンド(アロンソ)の離脱がオトマーにとって驚きであった事、そしてさほど遠くない過去に40万ユーロの罰金と15点の選手権ポイントの剥奪を受けた事から判断すれば、私には彼が最も声高に誠実さを叫び、倫理的な非難を行うに相応しい人物だとは到底思えない」
アロンソはチーム離脱に際してその決定をローラン・ロッシCEOやルノー・グループのルカ・デ・メオCEOに予め伝えていたが、サフナウアーには知らされておらず、アストンマーチンのプレスリリースで初めて移籍の事実を知った。
サウナウアーとブラウンが場外でやり合うのは今回が初めてではない。
レーシング・ポイントの2020年型「RP20」のリアブレーキダクトの合法性を巡る問題が明らかになった際、サフナウアーはブラウンを「無知」と侮辱し、ブラウンはこれに対して痛烈な皮肉を以て反撃した。
なおピアストリの移籍騒動はF1ベルギーGPの決勝レースが行われる翌8月29日(月)に決着する見通しだ。国際自動車連盟(FIA)の契約承認委員会(CRB)がアルピーヌ及びマクラーレン双方のピアストリとの契約に関して最終判断を下す。
サフナウアーは今も変わらず、ピアストリとの契約が法的に有効だと考えているが、仮に失う事になればダニエル・リカルドの復帰に対してオープンな姿勢を見せている。
「我々はダニエル、そして彼と過ごした時間を非常に高く評価している」とサフナウアー。
「現時点ではまだ、戦略的な話し合いはしていないが、エンジニアリングチームの連中は誰もが彼のドライバーとしてのスキルやモチベーションを高く評価している」
2022年末での契約早期解除に至ったマクラーレンのリカルドは今週、マネージャーのブレイク・フレンドと共に古巣アルピーヌのエンジニアであるカール・ルースと談笑する様子が確認されている。