FIA、エンジン交換を含むF1競技・技術ルールを広範に改訂
国際自動車連盟(FIA)はF1第10戦イギリスGPの開幕を直前に控えた6月29日(水)、フランス・パリで世界モータースポーツ評議会(WMSC)を開催し、2022年シーズンのF1競技・技術レギュレーションの改訂を決定した。
ルール変更は広範に渡る。概要は以下の通り。なおポルシェ、アウディの新規参戦が懸かる次世代F1パワーユニット規定に関する最終決定は次回に見送られた。
- パルクフェルメ下における新PU交換を許可
- PUの一時的修理を許可する規定を新設
- 気温30℃以上の場合は燃料温度20℃
- 後翼”たわみ”検査内容を修正
- タイヤテスト時の車両制限ルールの修正
- ミラー関連のルールを微調整
- 開幕前のドライバーメディア活動時間の変更
予選後に適用されるパルクフェルメ下では原則として、同一仕様以外のパーツに交換するとピットレーンスタートとなるが、規定の一部が改訂され、パワーユニットに関しては新しいスペックへの交換が認められる事となった。
また「局所的かつ最小限」であれば、パワーユニットに対する一時的な修理も許可される事となった。
燃料温度はこれまで、単に「周囲気温」の10℃未満であってはならないと定められていたが、「周囲温度」が30℃を超える場合は20℃にまで冷やす事が許可される事となった。
リアウイングとビームウイングに関する”たわみ”検査は緩和される方向に修正された。
タイヤテスト規定の修正は明確化を目的としたもので、F1エミリア・ロマーニャGP後に行われたピレリタイヤテストの際に、フェラーリが許可されていない新型パーツ(この時はフロア)を搭載したとの疑惑が生じた事を受けてのものだ。
リアビューミラー関連のルール変更は後方視認性を向上させるためのもので、ミラーの表面形状が修正される形となった。
今季は木曜のメディアデーが廃止となり、FP1を前に金曜午前中に公式プレスカンファレンスが行われる事となったが、これが従来通りの形に戻された。ドライバーはFP1開始予定時刻の23時間前から2時間の間に、最大30分間の公式メディア活動に参加しなければならない。
なおポーパシング問題を受けての措置と思われるが、技術規定に定められている「危険構造」の条項が変更され、危険と判断した車両を”即時”出走禁止処分とする権限がスチュワードに与えられる事となった。