F1モナコ罰則祭り…サインツに「著しく不正確」な無線を発したフェラーリ、3度の速度超過を犯したベッテルなど全6件
カルロス・サインツに対して「著しく不正確なメッセージ」を伝えたとして、F1モナコGPのスチュワードはスクーデリア・フェラーリに対して2万5,000ユーロ、日本円にして約341万176円という異例とも言うべき厳しい罰金を科した。
サインツは5月28日(土)のFP3で、ランス・ストロール(アストンマーチン)の走行を「不必要」に妨害したと見なされた。スチュワードによるとサインツは、後続車両とのギャップに関してチームから「著しく誤ったメッセージ」を伝えられていた。
スチュワードは「背後にマシンがいないと思い込んでいたドライバーに対し、なぜあのような誤解を招く情報が与えられたのかは不明だ」として上で、「サーキットのあの部分は後方の視界が悪いため、ドライバーはチーム無線を全面的に頼っていた」と指摘した。
チームの責任に依る走行妨害であったものの、これとは別に最終セクションで「殆ど停止」していたとして、スチュワードはサインツに対して今季3回目の戒告処分(ドライビング戒告は2回目)を科した。
イベント2日目のモナコでは、サインツの件を含めて全6件の罰則裁定が下った。
FP3では同じ様に、周冠宇(アルファロメオ)がプールサイド・シケイン(ターン15・16)でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の走行を妨害するシーンがあった。聴取と証拠確認を経てスチュワードは、チームに罰金10,000ユーロ(約136万1,656円)を科した。
チーム側がフェルスタッペンの接近を警告していなかったとして、周冠宇は警告処分で事なきを得た。
また、セルジオ・ペレスがジョージ・ラッセル(メルセデス)の走行を妨害したとされる件に関しては、予選開始が間近に迫っていたため双方のドライバー及び代表者からの聴取は行われず、無線と映像の証拠確認のみで審議が行われた。
スチュワードはラッセルの接近についてペレスに注意喚起していなかったとして、レッドブルに罰金10,000ユーロを科した。周冠宇のケースと同じ様に、ペレスも警告処分で事なきを得た。
以上3件はどれも似通った事案であったが、罰金の額は大きく異なっていた。その理由についてスチュワードは、周冠宇とペレスのケースは「情報不足」によるものだが、サインツの件は「情報に重大な誤り」があったためだと説明した。
更にFP3では、セバスチャン・ベッテルが2度に渡ってピットレーンで速度違反を犯した。1回目は1.7km/hの超過、2回目は1.6km/hの超過で、アストンマーチンに対して各々200ユーロの罰金が科せられた。
ただベッテルは予選でも3km/hの超過違反を犯した。スチュワードはチームに対して、更に300ユーロの罰金を科す裁定を下した。