24歳フェルスタッペンの成熟したレース哲学…落ち着き払った7度の王者ハミルトン相手に不足なし
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは若干24歳という若さで7度のF1ワールドチャンピオンを相手に死闘を繰り広げ、シーズン2戦を残して初の戴冠に王手を懸けているが、そのレース哲学は成熟しており気負いはない。
プレッシャーをどうコントロールしているのか? 現時点でのリードは十分だと思うか?等など…ルイス・ハミルトン(メルセデス)同様、フェルスタッペンは毎週末に渡ってタイトル争いに関する質問を受け続けてきたが、今週末の注目度はとりわけ高い。
自身とライバルの成績如何だが、8点差でリードするフェルスタッペンは今週末のF1サウジアラビアGPで自身初となる世界選手権タイトルを獲得して歴史に名を残す可能性があり、パドックの誰もがトップ争いに注目し、2人の心情に大いに関心を寄せている。
ドライバーズタイトルは個人に贈られるものだが、F1においてそれは千人を超える膨大な数の関係者の絶え間なき努力なくして成し得ない。その肩に寄せられるプレッシャーは相当なものと考えられるが、フェルスタッペンはジュニア時代から手に負えない要素を思考の外に追いやり、自らを”ニュートラル”な状態に仕向けるよう努めてきた。
フェルスタッペンは開幕を翌日に控え「皆がこの手の質問をしてくるのは分かるけど、この場(メディア会見場)を出たらすぐに、こういう事は考えないようにするんだ。不毛だからね」と語った。
「余計な事を頭の中に入れないようにして、兎に角、レースを楽しむようにしている。物事を複雑に考えすぎるのは良くない」
「僕は速く走る方法を知っている。そしてチームは僕に最高のマシンを用意してくれようとしている。自分でコントロールできるのはそれだけ。あとは自分の手に負えない事なんだから考えても仕方がない」
「ポジティブな事でもネガティブな事でも同じさ。他のドライバーにも当てはまるとは限らないけど、少なくとも僕はそうやって成長してきたし、常にニュートラルである事で上手くやれてきたんだ」
相対するハミルトンが週末に向けて「これまでになくリラックスしている」と語った事を受け、タイトル争いで豊富な経験を持つライバルの方が有利なのでは?と問われるとフェルスタッペンは次のように返した。
「1回目や2回目のタイトル争いの時と比べて、今のルイスの方が準備が整っているのは当然でしょ。当然の成り行きだし、ごく当たり前の事さ」
「僕だって初めてF1に参戦した時より経験を積んでいるし、遥かに準備はできている」
「(経験の違いが)大きな差を生むことはないと思うよ。だってもしそうなら、既に(大きな差となって)表れているはずだからね」
フェルスタッペンは「複数回のワールドチャンピオンと若手が戦うのは本当にエキサイティング」だとして、ハミルトンとのタイトル争いはF1にとって「良い事」だと認める一方、自身にとっては相手が誰であるかは問題ではないと指摘した。
「結局のところ僕にとっては、戦う相手が自分と同じ年齢のドライバーであろうと世界チャンピオンであろうと変わらないし、それは重要じゃないんだ」
ハミルトンが6位以下に終わった場合、フェルスタッペンはジェッダ市街地コースでのレースで優勝+ファステストラップを獲得すれば最終戦を待たずに初のタイトルを獲得する事になる。