メルセデスのバルテリ・ボッタスを抑えて走るマクラーレンのダニエル・リカルド、2021年11月7日F1メキシコGP決勝レースにて
Courtesy Of McLaren

ダニエル・リカルド、心折れかけた71周「いかなきゃ逆にやられていた」ボッタスとの接触事故について説明

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F1第18戦メキシコGP決勝のオープニングラップで発生した接触事故は両者のレースを大きく損ねる事になったが、ダニエル・リカルド(マクラーレン)もバルテリ・ボッタス(メルセデス)も互いを責めてはいない。

スタート直後のターン1でのブレーキングバトルの際、ボッタスの右リアとリカルドの左フロントが接触するインシデントが発生した。

接触するメルセデスのバルテリ・ボッタスとマクラーレンのダニエル・リカルド、2021年11月7日F1メキシコGP決勝レース1周目のターン1Courtesy Of Red Bull Content Pool

接触するメルセデスのバルテリ・ボッタスとマクラーレンのダニエル・リカルド、2021年11月7日F1メキシコGP決勝レース1周目のターン1

ボッタスはスピンを喫し、リカルドはフロントウイングを失った。後方に転落した2人にポイント圏内まで戻ってくる力はなく、リカルドは12位、ボッタスは15位でレースを終えた。

「初っ端からレースが終わってしまった。1周目のアクシデントは本当に痛かった」とリカルドは一件を振り返った。

「自分が攻めなきゃ他の誰かにやられていたはずで、多分、他のクルマにもみくちゃにされていたんじゃないかと思う。そういう意味で僕は厄介なポジションにいた」

「結局のところ、あれは単なる1周目のインシデントに過ぎないものだったと思う」

当初は派手にタイヤをロックアップさせたままボッタスに突っ込んでしまったという感触を持っていたようだが、リプレイ映像を見てその考えは変わったようだ。

「ストレートでロックアップした後に実際には一度立て直していて、その後コーナーにアプローチしたところ、単に行き場がなく接触したように見えた」

「バルテリは明らかに、進路上に何もないと予想してコーナーを横切ってきたように見える。実際にはペレスと僕がいたわけだけど」

「バルテリを責めてるわけじゃないんだ。僕がぶつかった側のクルマだって事は明らかだからね」

対するボッタスもまた「今日のレースは本当に散々だったけど、最初の接触に関して言えば、あれはわざとじゃなかったはずだ。僕はそう確信してる」と述べ、リカルドの故意性を否定した。

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7番グリッドから始まったリカルドのレースは、わずか1km足らずで天国から地獄へと変貌した。普段笑顔を絶やさないオージーは「心が折れそう」になりながら残り70周を耐え凌いだ。

「蹴り出しは良くて最初の数百メートルはポジティブだったんだ。多分4番手を争う位置にいたんじゃないかと思うけど、物事は一瞬にして変わってしまう」

「それがこの世の摂理なんだって事は分かってるけど、この手の状況に陥るとレースを通して耐え凌ぐしかなく、何か起きてくれって願うしかないから本当に辛いんだ。結局、何も起きなかったしね」

「ただ、ボッタスに対しては守り抜く事ができた。とは言っても通常、そういうのは良いポジションを懸けて戦う際にやるものだけど、今回は後方争いだった」

「クルマにもダメージがあって、だいぶダウンフォースを失っていたし、ちょっと心が折れそうになったよ」

「ほんの数秒間は最高のレースができるかもって感じだったのに、その後は本当にガッカリなレースになってしまった。ブラジルで挽回できるよう頑張るよ」

バルテリ・ボッタス(メルセデス)から逃げるダニエル・リカルド(マクラーレン)、2021年11月7日F1メキシコGP決勝レースにてCourtesy Of McLaren

バルテリ・ボッタス(メルセデス)から逃げるダニエル・リカルド(マクラーレン)、2021年11月7日F1メキシコGP決勝レースにて

ランド・ノリスが辛うじて1ポイントを持ち帰ったものの、マクラーレンはフェラーリにコンストラクターズ選手権3位を逆転される結果となった。

パワーユニット交換に伴うペナルティさえなければ違った結末もあり得ただろうが、ノリスは10位フィニッシュ以上は不可能だったと考えている。

「チームとしては最高の結果とは言えないけど、ボク個人としては18番手からの10位フィニッシュだから悪くはない1日だった」

「フィールドを駆け上がっていくのは大変だろうと思っていたから、今日はできる限りを尽くした」

「自分達のペースや、オーバーテイク、前走車について走ることの難しさを考えれば、これ以上の成果は望めなかったと思う」

「何もないより1ポイントを持ち帰れるほうが良いに決まってる。手を抜かずにブラジルでも前進していきたい」


11月7日(日)にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われた2021年F1第18戦メキシコグランプリ決勝レースでは、3番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が通算19勝目を上げて優勝。2位はルイス・ハミルトン(メルセデス)。3位表彰台には母国の英雄、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が滑り込んだ。

インテルラゴス・サーキットを舞台とする次戦F1サンパウロGPは11月12日のフリー走行1で幕を開ける。

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