メルセデスF1代表ウォルフ「簡単な決断じゃなかった…」バルテリ・ボッタス放出の苦悩を明かす
メルセデスのトト・ウォルフ代表はバルテリ・ボッタスの過去5シーズンに渡る多大な貢献に感謝すると共に、今季限りでの契約解除の決断は「簡単ではなかった」と胸の内を明かした。
公然の秘密が遂に事実としてアナウンスされた。ボッタスは来季、引退する同郷の大先輩、キミ・ライコネンの後任としてアルファロメオに複数年契約で移籍する。
ボッタスの後任、2022年のルイス・ハミルトンのチームメイトにはウィリアムズのジョージ・ラッセルが指名される見通しで、早ければ7日(火)の発表が予想される。
ボッタスはメルセデスでの5シーズン中でこれまでに9勝を挙げ、ドライバーズ選手権では2度の準優勝を獲得。コンストラクターズ選手権では4連覇に貢献してきた。
「これは我々にとって簡単なプロセスでもなければ、簡単な決断でもなかった」とウォルフは語った。
「バルテリは過去5シーズンに渡って素晴らしい仕事を成し遂げた。それは我々の成功と成長に不可欠な貢献だった」
「彼はルイス(ハミルトン)と共に、このスポーツにおけるチームメイトとしてのベンチマークを築き上げた。それは選手権争いにおける我々にとっての貴重な武器であり、それが前例のない成功を導いてくれた」
「彼は間違いなくチームに残るべき存在だった。彼がこのスポーツのトップレベルでキャリアを続けていくために、来年のアルファでのエキサイティングな挑戦を手にしてくれた事を嬉しく思う」
「この年の終わりに彼は、チームのすべてのメンバーから大きな好意を寄せられて我々のもとを去る。そして彼は永遠にメルセデス・ファミリーの一員となるだろう」
今季のボッタスはポールポジションを1回獲得のみで勝利はなく、思うような活躍を残せていないが、それでもなお先日のオランダGPでは3位表彰台を獲得してランド・ノリス(マクラーレン)からランキング3位を奪い取り、タイトル争いのライバルであるレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスに15ポイント差を付けている。
ボッタスは史上最強のドライバーの一人と称されるルイス・ハミルトンを相手に渡り歩いてきた事を「名誉」と表現し、メルセデスでの最後のシーズンで8連覇目のタイトルに貢献する事が今の最優先事項だと語った。
「メルセデスに在籍していた間に共に成し遂げた全ての事を心から誇りに思っている。でもまだ終わっちゃいない」とボッタス。
「後にメルセデスとの時間を振り返った時、チャンスを最大限に生かしてやり切ったと言えるようになりたいと思っているし、一緒に過ごしたシーズンの最後をチャンピオンとして締め括りたいと願っている」
「ルイスを相手に仕事が出来たことは僕にとっての名誉であり、非常に大きなチャレンジでもあった。今年の終わりには別れの時が来るけど今はまだその時じゃない。この決断を共にし、それを尊重してくれたトトとチームに感謝したい」
「エキサイティングかつアイコニックなアルファロメオでの新しい挑戦、そしてそんなチームを上位に導くチャンスが得られた事を本当に嬉しく思っている」
「これまでと同様、結果を出すために、そして時が来れば勝利のためにレースがしたいと思っている」
「今のところ、僕のやるべき事は明確だ。アブダビでの最終ラップまでメルセデスのために全力で攻めるのみだ」