2021年6月20日F1フランスGP決勝レースでトップチェッカーを受けるマックス・フェルスタッペンをピットウォールから祝福するレッドブル・ホンダのクルー
Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

ホンダF1、3連勝で「タイトル争いに向け大きな励み」30年ぶりの2戦連続W表彰台

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ホンダF1エンジン勢は6月20日(日)に行われたF1第7戦フランスGP決勝で1991年以来、30年ぶりとなる3連勝と、同じく1991年の鈴鹿日本GP・オーストラリアGP以来となる30年ぶりの2戦連続ダブル表彰台を飾った。

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは53周に及んだ長き戦いを終えて「この先のタイトル争いに向けて大きな励みになる結果」と手応えをうかがわせた。

順位 ドライバー 周回 タイム
1 マックス・フェルスタッペン 53 1:27:25.770 26
3 セルジオ・ペレス 53 +8.811s 15
7 ピエール・ガスリー 53 +76.596s 6
13 角田裕毅 52 +1lap 0

前戦アゼルバイジャンに続く2戦連続のポールポジションを獲得したレッドブルのマックス・フェルスタッペンは1周目に2番手に後退するも、1回目のピットストップでアンダーカットを成功させトップを奪取。ライバルが1ストッパーを貫く中、32周目に2度目のピットインを行い4番手に後退するも、残り2周でルイス・ハミルトン(メルセデス)を交わしてトップチェッカーを受けた。

僚友セルジオ・ペレスは第1スティントを長く引っ張る戦略で24周目にピットストップを行なうと、タイヤの優位性を活かして48周目に高速コーナーの“シーニュ”でアウト側から並びかけバルテリ・ボッタス(メルセデス)をオーバーテイク。3位表彰台に上がった。

これによりフェルスタッペンはファステストラップによる1ポイントを追加した満額ポイントを手にしてドライバーズチャンピオンシップでのリードを12ポイントに拡大。レッドブル・ホンダとしては計41ポイントを獲得して、コンストラクターズチャンピオンシップでのメルセデスに対するリードを37ポイント差にまで広げた。

2021年6月20日のF1フランスGP表彰台に上がったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスとレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼ、そしてメルセデスのルイス・ハミルトンCourtesy Of Red Bull Content Pool

2021年6月20日のF1フランスGP表彰台に上がったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスとレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼ、そしてメルセデスのルイス・ハミルトン

アルファタウリ・ホンダ勢は6番グリッドからスタートしたピエール・ガスリーが17周目のピットストップでダニエル・リカルド(マクラーレン)に先行を許すも、同じマクラーレンMCL35Mを駆るランド・ノリスとの激しいバトルを経て、36周目にカルロス・サインツ(フェラーリ)をパスするなど2台のフェラーリをオーバーテイク。7位入賞を果たして6ポイントを獲得した。

前日の予選でクラッシュを喫した角田裕毅は、ギアボックス交換に加えて予選と異なる仕様のフロア装着とサスペンション変更を行ったため、レギュレーションに従いピットレーンからスタート。開始早々にハース及びウィリアムズの4台を立て続けに交わすと、ホンダPU勢の中で先陣を切る形で15周目にピットに入り、ハードタイヤに交換した。

一時は11番手まで浮上するなどポイント圏内を伺う場面もあったが、第2スティントでのクリーンエアを受けての走行でペースを引き出せず、終盤にタイヤが厳しくなったこともあり、7ポジションアップの13位完走でレースを終えた。

この結果、アルファタウリ・ホンダはコンストラクターズランキング5位を守り、4位フェラーリとの差を6ポイントに詰めた。

Honda:F1フランスGP決勝

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日のフランスGP決勝はフェルスタッペン選手が優勝、ペレス選手が3位表彰台と、レッドブル・ホンダの2人が表彰台に上がり、モナコとアゼルバイジャンに続く3連勝を飾ることができました。

ポールポジションからスタートしたフェルスタッペン選手は一度は2番手に下がったものの、メルセデスと異なる戦略を採ってラスト2周でハミルトン選手を逆転し、見事優勝を飾ってくれました。

終始4番手を走行していたペレス選手も先行する3台との間隔を上手く見計らいながらレースを組み立て、終盤にボッタス選手を抜いて3位フィニッシュしてくれました。

マシンのパフォーマンス、ドライバーの腕、チームの戦略など、すべてが上手く噛み合い、本当に素晴らしいレースになりました。

アルファタウリ・ホンダのガスリー選手も粘り強い走りを続けて7位と、6戦連続で入賞を果たし、安定した力を見せてくれました。

Q1でのクラッシュを経て車体側のパーツを交換したためにピットレーンスタートとなった角田選手は、最後尾から幾つものオーバーテイクを見せて13番手と、昨日の予選からの巻き返しを見せてくれました。

今週末のパフォーマンス状況から予想された通り、非常なタフなレース展開になりましたが、それぞれがやるべき事をきっちりと果した事で、この先シーズンを争う上で大きな励みになる結果となりました。

またすぐに次のレースがやってきますので、オーストリアでの2連戦に向けてこの勢いを維持していきたいと思います。


レッドブル・リンクを舞台とする次戦シュタイアーマルクGPは6月25日のフリー走行1で幕を開ける。

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