レッドブル含む計7チーム、FIA国際自連とフェラーリの”秘密裏の合意”に反発…訴訟辞さぬ構え
レッドブル・ホンダをはじめとするフェラーリエンジン勢以外の7チームが、フェラーリと国際自動車連盟(FIA)との秘密裏の和解合意に反発し、この問題に関する情報開示を求めていくとの共同声明を発表した。
この声明はレッドブル・レーシング、アルファタウリ、マクラーレン、メルセデス、レーシングポイント、ルノー、ウィリアムズの連名で4日(水)に各チームから一斉にメディアに配信された。フェラーリエンジンを搭載するアルファロメオとハースはこれに含まれていない。
昨年のF1では、フェラーリが違法な手段で燃料流量センサーを欺いているのではとの疑惑が持ち上がった。昨季型のフェラーリPU「064」は5戦連続ポールポジションを演出するなど、シーズン中盤まで圧倒的なストレートスピードを生み出していたが、アメリカGPの週末に技術指令書が発行されたのを境に競争力を失った。
これはメルセデスとレッドブルからの問い合わせに応じる形でFIAがレギュレーションの穴を塞いだもので、以降この問題はこのスポーツの統治機関によって調査が続けられてきた。
その結果がオーストラリアGPの開幕を2週間後に控えた先月末に発表されたわけだがリリースは僅か6行ほどの短文で、詳細は「当事者同士の機密」とされ公開されず、FIAとフェラーリが何らかの「合意に達した」という事以外の一切が伏せられていた。
違法性に対する調査完了を報告する文書である事を踏まえれば、FIAはリリースの中で「違法」か「適法」かを明らかにする責務を負うわけだが、奇妙な事に声明にはこの点に関する言及が一切なく、ライバルチームの反発は必至であった。
今回新たに発行された7つのF1チームによる共同声明は「スクーデリア・フェラーリのF1パワーユニットに対する調査終結に関するFIAの2月28日金曜の声明に驚きと衝撃を受けた」との書き出しで始まり、次のように綴られている。
「国際的なスポーツ当地団体であるFIAには、最高水準のガバナンスとインテグリティ、そして透明性をもって行動する責任がある。他チームからの問い合わせに応じてFIAが数ヶ月に渡って行った調査を経て、FIAがフェラーリと秘密裏に和解合意に達したことに強く反対する」
「よって我々はここに、このスポーツがすべての競技者に対して公平かつ平等である事を確かなものにするべく、この問題について完全かつ適切な情報開示を求めていくという共通のコミットメントを明らかにする。我々はF1ファン、参加者、そして関係者を代表してこれを行う」
更に声明の末尾には「我々は管轄裁判所において法的措置を求める権利を留保している」として、FIAが要望に応じない場合は訴訟も辞さない構えを示した。