ホンダとフェラーリとのエンジン性能差は昨年と比べて遥かに小さい、とピエール・ガスリー
フェラーリは今年、メルセデスを凌駕する程の大幅な進化を遂げたともっぱら注目されているが、ピエール・ガスリーによれば、ホンダのインプルーブはそのマラネロを更に上回っているという。
昨年ホンダは、マクラーレンと決別して伊ファエンツァに本拠を構えるスクーデリア・トロロッソに対してパワーユニットを単独供給した。ガスリーはホンダと共に今年レッドブルへとステップアップしており、昨季と今季のホンダ製F1エンジンを知るグリッド上で唯一のドライバーだ。
上海インターナショナル・サーキットでのメディアセッションに応じたガスリーは、ホンダのパワーユニットの改善率がフェラーリを凌いでいるとの認識を示した。
「今年のフェラーリは特にトップスピード面において強力だ。彼らは依然として僕らよりも幾らかのアドバンテージを持っている。でも、そのギャップは昨年と比べると遥かに小さい」
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、今季フェラーリの大幅なゲインの秘密は燃料にあると踏んでおり、シェルが開発した新しい燃料がその原動力になっていると推測している。
ピエール・ガスリーは、ホンダが跳馬を上回るのは時間の問題だと続ける。「ホンダがこの調子で開発を続けていけば、ある時点でフェラーリに追い付く事に疑いはない。だからこそ、僕らはホンダに心から満足してるんだ」
フェラーリのお膝元である伊メディアは、今季フェラーリ製パワーユニット「064」の馬力はホンダ「RA619H」よりも38馬力上だと試算。これが事実であれば、両者のギャップは昨年と比較してほぼ横ばいという事になるが、GPSデータ等の外部情報を元に見積もられた推計値は、あくまでも推測の域を出る事はない。
レッドブルにとって2019シーズンはホンダパワーユニット搭載一年目だが、ガスリーによればルノーからのPU移行はかなりスムーズだったようだ。トロ・ロッソでの経験は全てレッドブルのテクニカルチームと共有されていた。
「初年度とは思えない位に順調だった。チームの誰もが協力して仕事に取り組んでるから、パフォーマンスであれ関係性であれ、あらゆる事が本当にポジティブなんだ。ホンダはシーズンを通して有望な開発計画を立てているし、全力でプッシュしている。実際昨年と比べてかなりのゲインを達成したわけだし、僕らは満足している」