完走僅か14台の大波乱!ハミルトンが今季初勝利、ホンダは10位入賞 / F1アゼルバイジャンGP《決勝》結果とダイジェスト
完走僅か14台、計7台のマシンがリタイヤを喫した2018年シーズン第4戦F1アゼルバイジャンGP決勝レース。メルセデスのルイス・ハミルトンが大波乱のバクー市街地コースを制し、今季初勝利を手にした。
2位は、レース開始早々にマシンを破損したフェラーリのキミ・ライコネン。猛追によってポディウムにまで返り咲いた。3位に滑り込んだのはフォース・インディアのセルジオ・ペレス、持ち前の嗅覚が流れを手繰り寄せ、キャリア通算8度目の表彰台を手にした。
トロロッソ・ホンダ勢は2台が無事に完走。タイヤの熱入れに苦労し中々ペースが上がらなかったものの、ブレンドン・ハートレーが10位入賞を果たし自身初のチャンピオンポイントを獲得。ピエール・ガスリーは12位でチェッカーフラッグを受け、マシンをガレージに持ち帰った。
昨年と比べて2ヶ月の前倒し開催となった今年のアゼルバイジャンGP。現地4月29日16時、レースは気温17℃、路面温度27℃のドライコンディションでスタートした。秒速3mと、懸念されていたほどの強さではなかったが、カスピ海から吹き付ける強風が、空力の塊であるF1マシンの挙動を大きくかき乱した。
複数のクラッシュで始まったオープニングラップ
レースは予想通りオープニングラップから大波乱。6番グリッドのキミ・ライコネン(Ferrari)と7番グリッドのエステバン・オコン(Force India)が3コーナーで接触。オコンはリタイヤ、ライコネンはピットに戻りフロントウィングを交換、ソフトタイヤに履き替えグリッド後方に後退した。
LAP 1/51
Saftey Car deployed as chaos ensues ⚠️
Ocon and Sirotkin OUT
Raikkonen with damage
Alonso suffers two punctures#AzerbaijanGP 🇦🇿 #F1 pic.twitter.com/kPlobbzLFO— Formula 1 (@F1) April 29, 2018
ニコ・ヒュルケンベルグ(Renault)、セルゲイ・シロトキン(Williams)、フェルナンド・アロンソ(Mclaren)の3者は、2コーナーを通過後のストレートで3ワイドの接近戦。真ん中を走行していたシロトキンが挟まれる形で3台が接触。シロトキンはマシンストップ、アロンソは前後タイヤとフロントウイングを破損しピットインを強いられ、1周目にして早くもセーフティーカーが出動した。
散乱したカーボンパーツの回収に手間取り、レースは6周目にようやくリスタート。ダメージが軽微で済んだヒュルケンベルグはステイアウトで5番手を走行していたものの、12周目に4コーナーで単独クラッシュ、マシンを降りた。
開始50分、第一DRS区間の検知地点に問題が発生し、自動でのDRS使用が不可能となってしまったため、ドライバーは各自手動でDRSを始動させるよう通達されるシーンもあった。
レッドブル勢、まさかの同士討ちで遺恨必至
次にレースが大きく動いたのは40周目、4番手と5番手を走行していたレッドブルのマックス・フェルスタッペンとダニエル・リカルドが同士討ち。ホームストレートエンドのブレーキング勝負に持ち込んだリカルドに対して、前走のフェルスタッペンがラインを変更。リカルド避けきれず追突し、2台揃って大量の選手権ポイントを失うことになった。一件はレース後の審議対象に。
赤牛の共食いに伴い再びセーフティーカーが出動。隊列を整えるためコース上の走行速度が制限される中、タイヤ温度をキープすべくウェービングしていたロマン・グロージャン(Haas)がコントロールを失い単独クラッシュ。立て続けにアクシデントが発生した。
勝利を得たかに思われたマシン、終了間際に続々脱落
このタイミングを利用してタイヤ交換に動くマシンが続出。スティントを引っ張っていたラップリーダーのバルテリ・ボッタス(Mercedes)がピットイン。先にタイヤ交換を済ませ2番手を走行していたポールシッターのベッテルの前でコースに戻り大逆転劇を演じた。
リスタートしたのは48周目。1コーナーでレイトブレーキングになってしまったベッテルがオーバーラン。終始圧倒的なペースでレースを牽引していたベッテルだが、残り4ラップのところでハミルトンと僚友ライコネンに先行を許し、勝利への切符を失った。オーバーランの際にフラットスポットを作ったベッテルは為す術なく、後続のペレスにも追い抜かれ4番手にまで沈んだ。
Race win = GONE 😫
A puncture denied Valtteri Bottas his first win of the season#AzerbaijanGP 🇦🇿 #F1 pic.twitter.com/uc6VOuAupL
— Formula 1 (@F1) April 29, 2018
波乱はまだ終わらない。リスタート後2周目のアクセル全開のホームストレートエンド。トップを走行していたボッタスがデブリを拾い右リアタイヤをバーストさせた。無残な姿となったW09、ピットに戻る事すら叶わず、ボッタスはコース上でマシンを降り涙を飲んだ。
勝利を得たかに思われていたベッテルとボッタスがまさかの後退を強いられた事で、2番グリッドのハミルトンがレースを掻っ攫う形となった。
2018年F1第4戦アゼルバイジャンGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | Pts |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 51 | 1:43:44.291 | 25 |
2 | 7 | ライコネン | フェラーリ | 51 | +2.460 | 18 |
3 | 11 | ペレス | フォースインディア | 51 | +4.024 | 15 |
4 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 51 | +5.329 | 12 |
5 | 55 | サインツ | ルノー | 51 | +7.515 | 10 |
6 | 16 | ルクレール | ザウバー | 51 | +9.158 | 8 |
7 | 14 | アロンソ | マクラーレン | 51 | +10.931 | 6 |
8 | 18 | ストロール | ウィリアムズ | 51 | +12.546 | 4 |
9 | 2 | バンドーン | マクラーレン | 51 | +14.152 | 2 |
10 | 28 | ハートレー | トロロッソ | 51 | +18.030 | 1 |
11 | 9 | エリクソン | ザウバー | 51 | +18.512 | 0 |
12 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 51 | +24.720 | 0 |
13 | 20 | マグヌッセン | ハース | 51 | +40.663 | 0 |
14 | 77 | ボッタス | メルセデス | 48 | DNF | 0 |
NC | 8 | グロージャン | ハース | 42 | DNF | 0 |
NC | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 39 | DNF | 0 |
NC | 3 | リカルド | レッドブル | 39 | DNF | 0 |
NC | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 10 | DNF | 0 |
NC | 31 | オコン | フォースインディア | 0 | DNF | 0 |
NC | 35 | シロトキン | ウィリアムズ | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 曇り |
---|---|
気温 | 17℃ |
路面温度 | 26℃ |
周回数 | 51 |
セッション概要
グランプリ名 | F1アゼルバイジャンGP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | バクー市街地コース |
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設立 | 2016年 |
全長 | 6003m |
コーナー数 | 20 |
周回方向 | 時計回り |