スタート直後、ターン1に向かうマックス・フェルスタッペン(レッドブルRB19)、ジョージ・ラッセル(メルセデスW14)、ルイス・ハミルトン(メルセデスW14)他、2023年10月8日(日) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ロサイル・インターナショナル・サーキット

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サーキットデータ
サーキット名ロサイル・インターナショナル・サーキット
所在国カタール
住所Al Wusail, North Relief Road, ドーハ, カタール
設立年2004年
全長 / コーナー数5,419m / 16
周回数57
ピット長 / 損失時間420m / 18.9秒
ターン1までの距離*1371m
平均速度237km/h
最高速度324km/h
エンジン負荷と全開率*2 61%
ブレーキ負荷
タイヤ負荷レベル
ダウンフォースレベル
グリップレベル
変速回数36回/周
総工費65億円
WEBサイト www.circuitlosail.com
SNS instagram

*1 ポールポジションから最初の制動地点までの距離
*2 全開率は距離ではなくタイムベースで算出

ロサイル・インターナショナル・サーキット(英:Losail International Circuit)はカタールの首都ドーハから北へ約35kmの場所に位置するレースサーキット。2021年に初めてFIA-F1世界選手権グランプリを開催した。

2021年11月21日にロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたF1カタールGP決勝レーススタート直後のターン1Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2021年11月21日にロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたF1カタールGP決勝レーススタート直後のターン1

開業は2004年。MotoGP初開催に向けて僅か1年足らずで建設された。2007年に屋外常設照明(ムスコ・ライティング社製)が設置され、2008年3月にはMotoGP史上初のナイトレースが開催された。1000本の照明設備に設置された計3,600個の電球が夜間でもコースを明るく照らし出す。

カートコースが併設されている他、カタール最大の屋内アリーナ、ロサイル・スポーツ・アリーナや射撃場が隣接する。

ロサイル・インターナショナル・サーキットのピットレーン、2021年MotoGP公式テストにてCourtesy Of YAMAHA MOTOR RACING SRL

ロサイル・インターナショナル・サーキットのピットレーン、2021年MotoGP公式テストにて

ロサイル・インターナショナル・サーキット、2021年11月18日F1カタールGP開催前日 (4)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ロサイル・インターナショナル・サーキット、2021年11月18日F1カタールGP開催前日 (4)

F1初開催の経緯

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響で脱落したオーストラリアGPに代わり、2021年11月19~21日の第20戦としてカタールGPの開催並びに、2023年からの10年間に渡る長期契約締結が発表された。FIFAワールドカップの開催国となったため、2022年は未開催だった。

基本的には2輪用サーキットであるため、2021年のF1グランプリ開催に先立って、ピットレーンの入口にソーセージ縁石が、出口に二重縁石が設置されるなど、幾つかの調整が行われた。

ロサイル・インターナショナル・サーキットで開催された2021年4月4日のMotoGPドーハGP決勝レースCourtesy Of Suzuki Motor Corporation

ロサイル・インターナショナル・サーキットで開催された2021年4月4日のMotoGPドーハGP決勝レース

F1カタールGP初開催の2021年11月まで、主要シングルシーターの開催実績としては2006年のグランプリ・マスターズシリーズと、その3年後に開催されたGP2アジア・ウィンターシリーズ位しかなく、ロサイルはロードレース世界選手権(MotoGP)の定番コースとして、また、ワールド・スーパーバイク世界選手権(SBK)や世界ツーリングカー選手権(WTCC)の開催地として知られていた。

コースレイアウト

創業以来、一度も再舗装されていなかったため、粗い骨材が路面に露出していたが、2023年の第2回大会を前に路面、縁石、ランオフエリアが全面的に再舗装された。

また、レイアウトに大きな変更はないものの、これらの改修によって全長が5.380kmから5.419kmへと39m増加した。

ロサイル・インターナショナル・サーキット(F1カタールGP)のコースレイアウト図(2024年版)copyright Formula1 Data

ロサイル・インターナショナル・サーキット(F1カタールGP)のコースレイアウト図(2024年版)

セクター1 ターン6の80m手前
セクター2 ターン12の75m手前
スピードトラップ ターン1の205m手前
DRS検知地点 ターン15の40m奥
DRS稼働地点 ターン16の305m奥

全部で16のコーナー(左:6、右:10)が配置され、メインストレートは1,068mと長い。DRSゾーンは1箇所で、ターン1が最大のオーバーテイクポイント。最も低速なのはターン6で約100km/h、逆に最も高速なのはターン13で約260km/hだ。

ターン4からターン9まではタイヤに大きな負荷がかかり続けるため、ドライバーはオーバーヒートに注意が必要だ。一方でビッグブレーキングがないため、ブレーキには優しい。

注目の一つは3つのエイペックスを持つ右コーナー(ターン12~14)で、F1カレンダー最高クラスとなる5GものGフォースがドライバーを襲う。イスタンブール・パークの名物コーナー、ターン8を逆方向としたかのような印象だ。

ロサイル・インターナショナル・サーキット、2021年11月18日F1カタールGP開催前日 (1)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ロサイル・インターナショナル・サーキット、2021年11月18日F1カタールGP開催前日 (1)

ロサイル・インターナショナル・サーキット、2021年11月18日F1カタールGP開催前日 (3)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ロサイル・インターナショナル・サーキット、2021年11月18日F1カタールGP開催前日 (3)

特徴

砂漠地特有の条件

周り一面を砂漠が覆うため、サーキットの周囲には人工芝が配置されているものの、風により運ばれてくる砂を完全に防げるわけではなく、条件次第でグリップに大きな影響が出る。

週末の出だしはグリップが低い一方、トラック・エボリューションはかなり大きい。ただし一旦路面にラバーが載ったとしても、風に運ばれる砂によって、あっという間にリセットされてしまう可能性もある。

カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットを走るレッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイク・チームCBR1000RRファイアーブレードSP2を駆るジェイク・ガーンCourtesy Of Red Bull Content Pool

カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットを走るレッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイク・チームCBR1000RRファイアーブレードSP2を駆るジェイク・ガーン

追い抜き・DNF・ピット回数統計

基本的にオーバーテイクは困難で予選順位が重要となるが、タイヤのデグラデーションが大きい場合はレースペースの方が重要だ。

タイヤの性能劣化が激しい場合、決勝レースではアンダーカットとオーバーカット、戦略が大きな鍵となる。

ピット総数 追い抜き リタイヤ
通常 DRS 接触 機械的問題
2023年 54回 16回 35回 2台 1台
2021年 30回 9回 35回 0台 2台

コースレコード

ラップタイムは当初、予選が1分22秒5、決勝が1分28秒6程度になるものと見られていたが、カタール初代ポールシッターとなったルイス・ハミルトン(Mercedes)は1分20秒827をマーク。マックス・フェルスタッペン(Red Bull Honda)はレースで1分23秒196のファステストを刻んだ。

タイム ドライバー チーム
ラップレコード 1:23.196 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 2023年
コースレコード 1:20.827 ルイス・ハミルトン メルセデス 2021年

F1カタールGP歴代ウィナーとポールシッター

開催年 ドライバー チーム タイム
2023 優勝 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:27:39.168
ポールポジション マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:23.778
2021 優勝 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:24:28.471
ポールポジション ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.827

サーキットの場所と航空写真

周り一面が砂漠に覆われ海も近い。

写真

クラッシュしたルイス・ハミルトン(メルセデス)とターン2にアプローチするオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2023年10月8日F1カタールGPCourtesy Of McLaren

クラッシュしたルイス・ハミルトン(メルセデス)とターン2にアプローチするオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2023年10月8日F1カタールGP

闇夜のロサイル・インターナショナル・サーキットに光るF1マシンのリアライト、2023年10月7日(土) F1カタールGPスプリントCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

闇夜のロサイル・インターナショナル・サーキットに光るF1マシンのリアライト、2023年10月7日(土) F1カタールGPスプリント

闇夜に浮かぶロサイル・インターナショナル・サーキットを周回するセルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)、2023年10月6日(金) F1カタールGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

闇夜に浮かぶロサイル・インターナショナル・サーキットを周回するセルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)、2023年10月6日(金) F1カタールGP予選

ロサイル・インターナショナル・サーキットの周回するヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロCourtesy Of YAMAHA MOTOR RACING SRL

ロサイル・インターナショナル・サーキットの周回するヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロ

タイヤに関する安全上の懸念を受けペイントによる疑似縁石が設けられたロサイル・インターナショナル・サーキットのターン12、2023年10月7日F1カタールGPCourtesy Of Alfa Romeo Racing

タイヤに関する安全上の懸念を受けペイントによる疑似縁石が設けられたロサイル・インターナショナル・サーキットのターン12、2023年10月7日F1カタールGP

ロサイル・インターナショナル・サーキットのホームストレート、2023年10月8日F1カタールGP決勝レースCourtesy Of Alfa Romeo Racing

ロサイル・インターナショナル・サーキットのホームストレート、2023年10月8日F1カタールGP決勝レース