リアム・ローソン(RBフォーミュラ1)、フランコ・コラピント(ウィリアムズ)、ミック・シューマッハ(メルセデス)
Courtesy Of Red Bull / Williams / Mercedes

有力視されたローソンとシューマッハがサージェントの後任に選ばれなかった理由

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ジェームズ・ヴァウルズ代表とウィリアムズは、ローガン・サージェントよりもフランコ・コラピントの方が2024年の残り9戦でポイントを獲得できる可能性が高いと判断した。有力視されていたリアム・ローソンとミック・シューマッハが選ばれることはなかった。

大改良が施されたばかりのFW46にサージェントが大きな損害を与えたF1オランダGPの最終フリー走行での事故が最後のダメ押しとなったのだろう。ヴァウルズはすぐに行動に移り、土曜の夜にレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表を訪ねた

その目的は、手を負傷したダニエル・リカルドの代役として2023年にアルファタウリから5戦に出場し、シンガポールGPで入賞を果たしたリアム・ローソンのレンタルについて相談するためだった。

F1での経験という観点から、事実上のF2ルーキーシーズンでランキング6位につけるコラピントよりローソンの方が即戦力として期待できると言うのは何も不公平ではないだろう。だがウィリアムズは、モンツァでの開幕を3日後に控えた火曜、コラピントの起用を発表した。

ローソン自身としてもグリッド復帰を望んだことだろうが、これが実現することはなかった。レッドブル側とウィリアムズ側の条件が折り合わなかったためと見られる。

ローソンを貸し出すことについてホーナーは、少なくともイタリアGPに限って言えば「オープンだ」と前向きな姿勢を見せたが、同時に、必要に応じてすぐにローソンを呼び戻すことができるかどうかによると説明し、残りのシーズン全体での貸し出しについては条件次第だと仄めかした。

F1公式サイトによるとレッドブルは不測の事態に備えて、リザーブ・ドライバーとしてのローソンを失うことを望んでいなかった。

特にセルジオ・ペレスの調子が上がらず、マクラーレンにコンストラクターズ選手権を奪われる可能性が高まる中、ペレスの交代を決定した場合、ローソンをレッドブルあるいはRBで起用する必要が生じる可能性がある。

同様にウィリアムズ側としても、途中でいきなりローソンが呼び戻される事態になっては再び後任人事を検討しなければならなくなるため、ローソンという選択肢を除外したという。伊FORMU1A.UNOによるとヴァウルズはローソンを望んでいた。

シューマッハの師、セバスチャン・ベッテルは個人的な関係を除いてもシューマッハが「最善の選択肢」であると主張していたが、関係筋によると、かつてのハースドライバーはそもそもウィリアムズの有力候補ではなかったそうだ。

起用が発表された火曜、来年のF1デビューが予想されるアンドレア・キミ・アントネッリとオリバー・ベアマンの両名より好成績を上げているコラピントは、英国グローブにあるウィリアムズのファクトリーを訪れ、モンツァでのデビュー戦に向けて備えるためにシミュレーターでの作業に取り組んだ。

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