ジル・ビルヌーブ・サーキットのメインストレートに設置されたスタートシグナルと路面に描かれた”Salut Gilles”のペイント、2025年6月12日F1カナダGP
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ワーウィック、F1カナダGPスチュワード停職処分に―角田関連を含む「無許可メディア発言」が問題に

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国際自動車連盟(FIA)は、2025年F1第10戦カナダGPの初日が行われた6月13日、2回のフリー走行を終えて、同グランプリにおけるドライバースチュワードとしての職務から、デレック・ワーウィックを外す決定を下した。

これにより、ジル・ビルヌーブ・サーキットでのドライバースチュワード業務は、代役としてエンリケ・ベルノルディが担当。FIAのリモート拠点であるジュネーブから、現地のスチュワードチームを支援する形を採る。

ワーウィックの一時的な職務停止の理由としてFIAは、ドライバースチュワードという立場にあって、許可を得ずにメディアに発言したことを挙げた。FIAによると、ワーウィックはその事実を認め、「不適切」であったとして謝罪した。

なお、同様のケースとして今年初めには、ジョニー・ハーバートもオンライン賭博サイト上でのメディア活動が問題視され、FIAスチュワードを退任している。

声明では具体的な発言内容についての言及はなかったものの、今回の処分はスペインGP後に、ワーウィックがオンライン賭博関連サイトを通じて行った発言が問題視されたとみられる。

当編集部でもカナダGPを前に、複数の海外メディアによる報道を受けて独自に調査を行ったが、日本からは当該サイトへアクセスができず、イギリス経由での閲覧は可能だったものの、該当する発言内容は確認できなかった。そのため、事実関係が不明確であるとの判断から、報道を見送った経緯がある。

幾つかの報道によれば、ワーウィックの発言には、スペインGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に科されたペナルティに対する個人的な見解、ルイス・ハミルトンがすでにフェラーリ離脱を検討している可能性への示唆、そして角田裕毅の苦戦を踏まえたうえで、セルジオ・ペレスを放出したレッドブルの判断は誤りであったとする見方などが含まれていたとされる。

ワーウィックは直近ではマイアミGPでスチュワードを務めており、今回の処分が一時的なものであることから、次戦オーストリアGPで復帰する予定となっている。

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