どうなるF1開催、ベトナムとバーレーンも隔離措置を拡大…レッドブル・ホンダにも影響の恐れ

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新型コロナウイルスが全世界的に猛威を振るう中、2020年シーズンの開幕オーストラリアGPはコース設営を含む全ての準備を滞りなく進めており、現地プロモーターは計画通りの決行を強調しているが、その一方で、F1第2戦バーレーンGPと第3戦ベトナムGPに対する懸念が拡大している。

ベトナム保健省は2月29日、新型コロナウイルスの感染が流行している中国、韓国、イラン、そしてイタリアの4カ国からの入国者に対する隔離措置を講じると発表。フェラーリやアルファタウリらイタリア系チームの欠場リスクが一段上がった格好となった。

中国と国境を接するベトナムは先月13日、コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防ぐために、6名が発症したビンフック省のソンロイ村を隔離。いち早く対策に動いた。その甲斐あってか、3月1日現在の情報によれば累計感染者数は16名で、全員が完治したと伝えられている。

しかしながら当局は今も感染拡大防止策を徹底。中国との航空便は運航停止とされ、国境ゲートの一部封鎖は現在も続いてるほか、国内での大規模イベントは中止に追い込まれている。

新たな入国制限は該当国からの入国者全てに検疫を義務付けており、渡航者は感染の有無に関わらず、場所や日数に違いはあれど一様に隔離される事になる。現時点においては、第三国を経由しない限りは、イタリアから同国に無条件で入国する事は出来ないようだ。

だが、バーレーンの方がより多くの国を隔離措置の対象としている。在バーレーン日本国大使館によると、同国は過去14日以内に中国、香港、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、イラク、イラン、イタリア、そして日本に滞在した事のある外国人渡航者に対して、最低14日間の隔離措置を講じているという。バーレーンでは3月1日付で41名が発症している。

改めて言及する必要性は低いだろうが、ホンダは英国ミルトン・キーンズと日本のHRD-Sakuraを拠点としており、隔離措置が課される可能性がある。リスクヘッジのために、ホンダのエンジニアはバルセロナテスト後に日本に帰国せずヨーロッパに留まっているようだが、バーレーンGPに関してはフェラーリやアルファロメオやハース、アルファタウリやピレリだけでなく、ホンダエンジンを搭載するレッドブル・レーシングにも影響が及ぶ恐れがある。

仮にフェラーリ製パワーユニットを搭載する3チームとホンダ製PUを積む2チームがレースに参加できない場合、F1スポーティングレギュレーション第5条7項の「参加車両が12台に満たない場合はキャンセルとなりうる」の定めに従い、イベントそのものが中止される可能性もある

F1チームとリバティ・メディアは原則として、開幕4戦を含む全てのグランプリが無事に開催される事を切に願っている。オーストラリア、バーレーン、ベトナム、中国の各プロモーターがF1に支払う開催権料は総額2億ドル、日本円にして約216億円近くに上るとみられ、そのうちの62%がチームの取り分としてチャンピオンシップの成績等に応じて分配される。

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