ヘルメットを持ってアルバート・パーク・サーキットのパドックを走るスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル、2020年F1オーストラリアGPにて
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セバスチャン・ベッテル、2021年アストンマーティンF1移籍が決定…契約は複数年

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レーシング・ポイントF1チームは2020年F1第9戦トスカーナGP開幕を翌日に控えた9月10日(木)、セバスチャン・ベッテルとの複数年契約締結を発表した。

4度のF1ワールドチャンピオンは2021年シーズンより、アストンマーティンF1へと改称する英国シルバーストン本拠のレギュラードライバーとして、チームメイトとなるランス・ストロールと共にF1世界選手権への参戦を継続する。

レーシングポイントは声明の中で、33歳のドイツ人ドライバーとの契約は2021年を含めた複数年契約であり「F1の中で最も高い競争力を誇るチームとしての地位を確立せんとする我々の野心を明確に表明したものだ」と述べた。

ベッテルは次のように述べ、カナダ人大富豪のローレンス・ストロール率いるチームの将来性を高く評価すると共に、フロント争いをするために全力を尽くしていく覚悟だと誓った。

「僕の将来についてのエキサイティングなニュースを共有できて嬉しく思う。2021年のアストンマーティンへの加入を心から誇りに思っている。伝説的な自動車メーカーと共に挑む新たな冒険の始まりだ。チームが今年達成している結果に感銘を受けているし、その未来は更に明るいものになると信じている」

「このポーツに対するローレンスのエネルギーとコミットメントにも感銘を受けた。一緒に何か特別なものを作り上げていけると信じている。僕にはまだF1への愛が残っているし、唯一のモチベーションはグリッドの最前列でレースを続ける事だ。アストンマーティンと共にレースに挑戦するのは大きな特権になるだろう」

今季限りでのベッテルのフェラーリ離脱発表を経て、移籍に向けた交渉は数ヶ月前から続けられていたが、現在のシートを持つセルジオ・ペレスは2022年末までの複数年契約を結び、チームオーナーの実子ランスがもう1つのシートに就いていた事からベッテルの居場所はないように見えた。だがペレスが前日に2020年末でのレーシングポイント離脱を発表。移籍発表の土壌が整った。

チーム代表を務めるオトマー・サフナウアーは「シルバーストンにいる全員がこのニュースに非常に興奮している。セバスチャンは実績豊富なチャンピオンであり、アストンマーティンF1チームに勝利へのメンタリティをもたらしてくれるはずだ。予選・そして決勝。セバスチャンは世界最高のドライバーの一人であり、我々を新しい時代へと導いてくれるという点で私はこれ以上のドライバーは思いつかない。彼はこのチームを次のレベルに引き上げるために重要な役割を果たすだろう」と語った。

ベッテルはこれまでにキャリア通算53勝と4度のワールドタイトルを獲得しており、現在のグリッドでこれを上回るのはルイス・ハミルトンのみだが、今季は競争力を欠くSF1000の扱いに手こずっており、8戦で獲得したポイントは僅か16、ベストフィニッシュは6位と、ドライバーズランキング13位に甘んじている。

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